黒いポストの手神様と白いポスト

作者 響ぴあの

この「お題」とこの「題材」。ハッとさせる着眼点。

  • ★★★ Excellent!!!

 情報の拡散――といわれて思い出すのは、SNSに代表されるネットだが、そういえばこういう拡散もあったなあ。と本作を読んでから、気づく。
 まず、そこに目をつけて此処までさらりと仕上げ、アナログな事象世界へ読者を導く。
 そこにあるのは、今のように情報発信の敷居が低くなかった時代の、情念の解放。主人公がこの行動に至るまでにどれほどのエネルギーが必要だったかと想像してしまうと、作品がずしりと重くなる。
 自分の一通がやがて自らの元へ形を変えて帰ってくる。それを目にした時、彼は何を思ったか。
 目にした光景は、案外、その「重さ」がもたらしたつかの間の幻だったのかもしれない。

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