第13話 ポッキーゲーム
「一緒にゲームしない?」
ある日、A子がB子と一緒にゲームをしないか提案をしてきました。
「ゲーム?」
この何もない世界で一体どうやってゲームをするというのか。B子は疑問を覚えつつもA子の提案にのります。
さて。一体どのようなゲームをするのかと町変えていると、A子が何か手に持っていることに気づきます。
また、どこから拾ってきたのか、A子の手元にはチョコがついた棒状のお菓子がありました。
「まさか……あなた……」
B子もA子の手元の物に気づいたのか、だんだんと顔が青ざめていきます。
「私とポッキーゲームしようよ!」
「やっぱり…………」
見事B子の予想が的中しました。
それにしてもポッキーゲームって……。一体A子はどんな狙いでやろうとしているのか……。いやそもそもA子はそんなの考えずに、ただ楽しいからやろうとしているだけなのか……。
全く意図が読めません。
「そ、そんなゲームやらないわよっ!」
B子は顔を赤くして、当然のように反対します。
それもそうです。いくら女の子同士だからといって、付き合ってもない二人がやるものではないのです。
「いいからやろうよ〜」
A子はもうすでにお菓子をくわえて、B子の方へと差し出しています。
「だ、だから、嫌だってー!」
B子はそれでも抵抗を続けます。
「いいからやろ〜」
「だ、だから…………」
「いいから〜」
「…………分かったわよ」
はい。B子は押しに弱いという事が判明しました。いや、正確にはA子に弱いのでしょう。
とにかく、B子が折れたことで、二人は無事にポッキーゲームを行うことになりました。
「じゃあ、せーので始めるよ?」
「分かったわよ」
ただ心の中ではB子も、A子も流石に恥ずかしがるだろうと考えています。
だからここでB子が反撃をすれば、A子に仕返しをすることが出来る。
そう考えたB子はやる気をみなぎらせます。
「じゃあ、せーのっ」
A子の合図でゲームが始まります。
B子の予定では、すぐさま反撃をし、A子がひるむ姿を見る。
その予定でしたが、やはりA子。B子の予想を上をいっていました。
ガリガリガリガリ。
A子が勢いよくお菓子を食べ始めます。
「んっ!?」
その勢いは強く、あっという間にお菓子の半分まで行きます。
B子も慌てて食べ始めようとしましたが、その時にはすでにもうA子の顔が目の前まで来ていました。
(なんなんよこいつ〜!)
B子は迫ってくるA子の顔を直視出来ず慌ててそらします。
しかしこれでは負けてしまうと、もう自暴自棄になってB子もお菓子を食べ始めました。
「「んっ」」
結果はごらんの通りでした。
ゲームの後はB子は恥ずかしさで悶えていましたが、そのせいでA子も悶えていることに、B子は気づかなかったようです。
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