65ロリ 大浴場でシルヴィ欲情

 予定していたデートは終わったので私たちは早めの夕食を取ってからホテルに帰る。

 私は自室に備え付けられている風呂に入ろうとしたのだが、シルヴィがせっかくだからとホテル一階にある大浴場に行くことにした。確かにそんな場所もあったなと今更ながら思い出す。高級ホテルの大浴場なのだからさぞ豪華で広いのだろう。実に楽しみである。


 着替えを持ってシルヴィと一緒に女湯に入る。

 ちょうど他の客が入っていなさそうである。

 私は服を脱ぐ。そしてそれをシルヴィはじっと見つめる。


「な、何見てるんだ」

「いや、クルシュの肌綺麗だなぁって思って」

「そうか? シルヴィも十分綺麗だぞ」

「っっ……もう、クルシュのそういうとこずるいよ」

「?」


 シルヴィは少し頬を赤らめながら服を脱ぐ。


「「おぉ」」


 私たちはその浴場の広さと豪華さに感嘆を漏らす。まず手前には髪や体を洗うスペースがずらっと並んでいる。ここは鏡や台に少々装飾が施されているだけで普通の浴場と変わらないように見える。

 しかし私たちが驚かされたのはそこではない。その奥にある入浴スペースだ。金や銀といった派手な豪華さではない、神殿にいるかのような厳かな浴場だった。壁面には飾りの石柱が立ち並び、照らされている照明によって独特な雰囲気となっている。また教会のように巨大な壁画が描かれておいる。

 圧巻だった。ここのホテルには何度も驚かされてばかりだ。


 さて、これから入る浴場にワクワクしながらまず、髪を洗う。そしてシルヴィの提案で互いの体を洗い合って身を綺麗にする。

 そしてついに、お風呂へと足を入れる。


「「ふぅーーー」」

「これは……最高だ」

「ほんと……ちょうどいいお湯加減」


 今日一日の疲れが吹き飛ぶ、そんな心地よさだ。


「クルシュ、ここ魔力が少しだけ流れてるんだって」

「ほぁー、だからこんなに気持ちいのかぁ」


 魔力を含んだ風呂、実に素晴らしい。

 魔力を含んだ風呂というのは魔法を使う者にとってとても気持ちいいものだ。それは魔法使いが魔力を身体中に張り巡らしているからだ。疲れというのは魔力が少ない状態でもある。それを魔力の含まれた風呂に入れば肌から魔力を少しずつ吸収し体を循環するのだ。一般人だとそこまで気持ち良さは分からないだろうがなんか気持ちいいな、とは思うはずだ。


 私とシルヴィは気の抜けた声を漏らす。体がスライムのようにとろけてしまいそうだ。

 五分ほどこの風呂を堪能したら風呂から上がる。さすがにこのまま入っていてはのぼせそうだ。


 次は露天風呂だ。(おそらく)ホテルの中庭だろう場所には大きな石造りの浴槽がある。また隅の方には壺風呂があった。


「これ、なに?」

「知らないのか?」


 どうやらシルヴィは壺風呂を始めてみたらしい。日本だとこういうものは意外と多いイメージなのだがこの世界では少ないのだろうか?


「これはまあ、一人用の風呂でなそれ以外は普通のものと変わらんさ」

「へぇー」


 私とシルヴィはそれぞれ別の壺に入る。バシャーとの方のお湯が溢れる。私のは全然溢れなかった。なお補足としてシルヴィは大人用の大きめの壺、私は子供用の小さめの壺だと付け加えておく。


「おぉこれは中々良いねぇ」


 私たちは壺風呂に入りながら空を見上げる。まだ日が沈んだばかりだが多くの星が輝いている。ジャーとお湯が風呂に流される音だけが聞こえる。

 するとシルヴィはふいに立ち上がり壺から出る。


「シルヴィ? もういいのか?」

「えーい!」

「うおぅ!?」


 何とシルヴィは私の入っている壺に飛び込んできた。突然のことに驚く。

 大量のお湯がなくなるも徐々に新しいお湯が管から注がれる。


「何してんだ急に」

「えへへ」


 対面ざ――こほん、向かい合うようにして座る。シルヴィはもっと密着したいのか私を抱きしめてくる。すると当然、シルヴィの柔らかい肌が私の肌と触れ合う。


(おおおおおおおおおおおい、何してんだ!?)


 私は興奮した。だが理性でシルヴィを押し返す。だが抵抗するように強くぎゅっとされる。


「クルシュ……」

「シルヴィ? 突然どうしたんだ?」

「んちゅ」

「んむぅ!?」


 シルヴィが流れるような動作で私の唇を奪う。

 そしてそのまま口内に舌を入れられ――


「ダメだ!」


 十八禁展開になる前に私はシルヴィを押し返す。


「なんで?」

「何でってそういうのは好きな人同士が……」

「ボクは好きだよ? クルシュのこと。それにクルシュは責任取らなきゃ」

「責任?」

「そ、責任。ボクの初めてのお姫様抱っこを奪ったことの、ね」

「う……」


 そういう文化があるとは知らなかったとは言え、シルヴィにしてみれば大事な問題だろう。私は何も言い返せなくなる。


「じゃ、そういうことだから……」

「ダメ」


 それでも私はシルヴィを止める。


「そういうのは、もっとちゃんとしたことろでな? ここは人が来るかもしれん」

「むぅ、押せば行ける雰囲気だと思ったのに」

「そんな雰囲気は知らん」

「ま、でも、ちゃんとしたところでなら良いって言質とったし、楽しみにしててね、クルシュ」


 これは、詰んだ。




――――――――――――――――――――――――――

 『百合は至上のもの』

 これ教科書に出ます。

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幼女無双 〜最恐の幼女は異世界で嗤う〜 シュタ・カリーナ @ShutaCarina

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