水着が見れる当日
「お兄ちゃんプールずるい! 私、水着着て社会科見学行く!」
9月22日。
結局、プールに行くことになったのだが、花凛はそれをむちゃくちゃ羨ましがってきた。
水着着て社会科見学行ったら多分学校の知名度一位になれるぞ……。
「科学館行ってから、車工場行って最後に牧場行くんだろ……超充実スケジュールじゃないか……」
「そうなんだけど、すごく楽しみなんだけど、なんか……ていうかそもそもお兄ちゃんが女の子三人とプールに行くっていうのがおかしいよ。お兄ちゃんってぼっちでお子様ランチ作ってる人じゃなかったの?」
「確かに……言われてみれば……」
みかんと、未来と、そしてもう一人くる女の子、柚川音香。
みかんの親友で、未来とも未来が引っ越す前から仲が良かったらしい。
僕と同じクラスらしいが……話したことは多分あまりない。
とにかく僕は女の子三人とプール。それがおかしいというのは、お子様ランチに魅力があるっていうことぐらいものすごく納得できる。
しかし、決まってしまって当日になってしまったのだし、はっきり言って、楽しみすぎる。
だって。そう。僕はお子様ランチが好きだが。女の子の水着姿だってプールにいるという時と条件が揃えば大好きになるだろう。
やっぱり水着大好きへんたいじゃないかって言われそうだから前もって言っておくけど、いざ決まったから楽しみにしているのであって、動物園でも水族館でも楽しみになっていたからな。
……で、水着の話に戻れば、みかんの水着姿を見れる。だいぶ前に見たことはあるがきっとその時とは違うだろう……だって前よりは明らかに、ここ最近だっておおきくなってるもんな……。
「ねえ、お兄ちゃん、顔がお子様ランチの柔らかオムライスみたいになってるよ」
「あ、すまない……」
僕はそう言ってから口をしっかり閉じる。
今日はみんなの水着姿を見ても、心の中でどんなことを考えていても、平静を保つんだもんな。
行く前からこんなになっててはいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます