ステージ#16:Game Day

#16:Game Day-2065年12月27日(日)

49ersフォーティーナイナーズ4thフォース10テンパンターウィシュニュースキーのパントです。ジャガーズのRETリターナーマット・ナイキストはフェアキャッチのシグナルを出しました。リターンしません。自陣20ヤード付近。前半の残り時間はちょうど2分。ツーミニッツ・ワーニングの後、ジャガーズの攻撃となります。前半最後の攻撃になるでしょうか。ここまでスコアは49ersフォーティーナイナーズが6点、ジャガーズが3点というロースコア・ゲームになっています。保志ほしさん、ジャガーズはこのツーミニッツ攻撃オフェンスで3点でも取って、同点で後半へ折り返したいとことだと思いますが、どう攻めましょうか」

「ジャガーズは第1クォーターの途中からRPO、ラン・パス・オプションを多く使ってますよね。中央へのランと、それをフェイクにした短いパスの組み合わせ。わりあい進んでいるんですが、敵陣に入るとどうも手詰まりになっているように思います。レッドゾーンへ入ったのも1回だけ。それもTDタッチダウンできずにFGフィールドゴールで3点で終わってしまいました。ボールポゼッション、攻撃時間も短いですが、パンターのナイトが絶妙のパントを蹴って、ナイナーズを自陣の奥へ押し込めてるので、失点が何とか6点で留まっているという状況です」

「そうですね。ナイトのパント、5回中、インサイド20トウェンティが3回、インサイド10テンが2回という素晴らしい内容です」

パンターとしてプロボウラーに選ばれるのではないかという予想が出ているらしいですが、それはともかく」

「はい」

「ラン・パス・オプションですが、QBクォーターバックダニー・コリンズの判断が、あまりよくないと私は思います。見ていると、どうもランが少ないように感じるんですよ。ラン・パス・オプションのランは、出なくてもある程度は入れないと、効果が薄いですから」

「通常の攻撃でも、ランが出てこそプレイアクション・パスが通るようになるので、それと同じということですね」

「そういうことです。ジャガーズの攻撃オフェンスラインはこのところ非常に安定してますから、それを信じて、ランを入れるべきです。ツーミニッツでランを多用すると、時間が経ってしまいますが、タイムアウトも3回残ってますし、FGフィールドゴールレンジへ入るだけなら、それほど進む必要はないわけです」

「なるほど。FGフィールドゴールレンジはキッカーベルデンの場合、60ヤードならトライすると思われますので、敵陣43ヤード以内へ入ればいいと。そうすると今自陣20ヤードですから、33ヤード進めばFGフィールドゴールが蹴られるわけですね」

「そういうことです。うまく時間を止めれば7プレイや8プレイはできるはずですから、半分くらいはランを入れてもいいはずだと、私は思います」

「さあ、どういう攻撃を展開するでしょうか。ツーミニッツ・ワーニング、タイムアウトが明けまして、ジャガーズの攻撃が始まります。ショットガンの隊形から、レシーバーは左右に一人ずつ、バックスも左右に一人ずつです。右のレシーバーが左へモーションして、スナップ。右のバックス、モスに持たせました。中央を突いて、いいゲインになりました。5ヤードほど出たでしょうか。これはラン・パス・オプションではありませんでした」

「そうですね。おそらく決め打ちのランプレーでしょう」

「今日のコリンズ、プレイアクション・パスのスタッツが出ていますが、4回投げて4回成功、獲得54ヤード。いい成績と思いますが、得点に結び付いていません」

「そうですね。敵陣の深いところでパスを決めていないんだと思います」

「ノーハドルで早く進めます。セットバックから、ドロップバックして、ミドルゾーンへのパス! おっとこれはLBラインバッカーケンドリクスがナイス守備ディフェンス!」

「ターゲットはJ・C・ドーキンズでしたが、インターセプトされそうになったのでボールをカットしましたね。これも好判断でした」

「リプレイです。ドロップバックからハンドオフのフェイクを入れて、中央左に20ヤードほどのパスを投げましたが、これは守備ディフェンスがうまく守りました」

守備ディフェンスの隊形はゾーンでしたね。切れ目シームに見えましたが、カバーしていたディフェンダーがうまく寄ってきました」

「時計は残り1分36秒で止まっています。まだ自陣25ヤード。3rdサードファイブに変わります。またショットガン隊形。レシーバーを左右二人ずつ、バックスを右に一人付けています。右のレシーバーが一人、左へモーションして3人になりました。さあ、スナップ」

「ブリッツが入ってますね」

「ただ、それほどプレッシャーはかかりません。コリンズは少し左に流れて、奥のレシーバーを見ています。ミドルパス! ダレイマスへパスを通しました。1stファーストダウンを獲得。いいキャッチがありました。ジャガーズはここでタイムアウトを取りましたか」

「ゲインは20ヤードか21ヤードくらいですか。第1クォーターFGフィールドゴールの前にパスが通ったのがやはりダレイマスだったと思います。いいところで、いいキャッチをする選手ですね」

「ハーフウェイが近付いてきました。自陣46ヤードから1stファースト10テンFGフィールドゴールのチャンスが作れそうです」

「先ほど、敵陣43ヤードから60ヤードのFGフィールドゴールでも蹴るだろうということでしたが、できれは35ヤード以内へ入りたいですね。それでもあと20ヤードほど、時間は1分26秒もありますから、まだゆっくり攻めればいいと思います。相手に時間を残すと厄介ですから」

「リプレイですが、ブリッツが二人入ったでしょうか」

「はい、二人のうち一人はSFセーフティーなんですが、その本来守っているべきところにパスを投げましたね。なかなか心憎いプレイコールというか、よく考えていると思います」

「しかも攻撃オフェンスラインがよく守りました。それほどプレッシャーがかからなかったでしょうか」

「そのとおりだと思います。大外からのプリッツが届かないタイミングで投げてました」

「これは珍しい、Iフォーメーションになりました。TEタイトエンドを二人付けています。アンダーセンターからドロップバックしてTBテールバックのフレッチャーにハンドオフ。中央を突いてまた5ヤードほど進んだでしょうか。FBフルバックのマカルーをリードブロッカーに使っています」

49ersフォーティーナイナーズはランに対する守備ディフェンスは全く修正していませんね。進まれても時間さえ使わせればいいと考えてるんでしょうか。むしろ第1クォーターに比べると、進むようになっている感じがします」

「敵陣に入りました。49ヤード付近。2ndセカンドファイブ。またノーハドルで早く始めます。ショットガン隊形。右に3人レシーバーを置いています。しかしまたフレッチャーに持たせました。ライン全体が右へ流れて、その中央を突いて行く! 1stファーストダウンを獲得しました。ここでまたジャガーズがタイムアウト。ゲインは7ヤードから8ヤードでしょうか。残り時間は1分を切りました。56秒」

「これで最低ラインをクリアしたというところでしょうか。あと10ヤード、15ヤードくらいは取れるでしょう」

「今、ラインにかなり大きな穴が開きましたが」

「リプレイが出てますが、右サイドへのゾーンブロックで、ボールキャリアーも右へ走って、カットバックして縦に走るという基本的なプレイでしたね。TEタイトエンドのローンとタックルのパノスでDEディフェンスエンドをダブルブロックをして、ローンはさらにケンドリクスをブロックしに行きました」

「ローンは今日はまだキャッチがありませんが、ブロックで活躍しています。ジャガーズ、敵陣42ヤードから1stファースト10テン。またIフォーメーションから、左のレシーバーがモーション。左へ戻ります。TBテールバックへピッチ。今度は左へ。キャリアーはまたフレッチャー。ここもまたマカルーがいいブロックをしています」

「ケンドリクスをうまくブロックしましたね。これで3ヤードはさらに行ったでしょう」

「6ヤードほどゲインしたでしょうか。2ndセカンドダウン。時間はどんどん流れていきます。あと40秒ほど」

「もう一つ残っているタイムアウトをどこで使うかですね。できればFGフィールドゴールを蹴る前に使いたいので、もう少し我慢するでしょうか」

「またノーハドルで早く始めます。ショットガン隊形。レシーバーは右に二人、左に一人。右のレシーバーを一人モーションさせます。しかしまたRBランニングバックに持たせた。モスです。今度は真ん中を突いて、2ヤードほど出たでしょうか」

「また早く始めないといけませんよ。もう20秒を切ってます」

「急ぎます。3rdサードツー。ワンバック。TEタイトエンドを二人付けています。左へ流れて、ハンドオフ・フェイクからコリンズが右へロールアウトしてプレーアクションパスを狙う。奥が空いていないか? 守備ディフェンスが迫る! 投げ捨てました」

「ダブルTEタイトエンドでまたランをするようなフォーメーションでした。レシーバーは3人出てましたが、マンツーマンで全部カバーされてましたね」

「ここまでのドライブ、ラン・パス・オプションを一度も使っていないようですが」

「そうですね。ショットガンからRBランニングバックへハンドオフするプレイでも、全て決め打ちのように見えました」

4thフォースツーになりました。残りは5秒。これはもうFGフィールドゴールしかありません。キッカーのベルデンが出てきました」

「敵陣34ヤードですから、51ヤードのFGフィールドゴールということになりますね。リプレイですが、マカルーがダウンフィールドへ出て、反対サイドで空いてたんですか。決まっていれば、30ヤード台のFGフィールドゴールになっていたかもしれません」

「ベルデンは先ほど34ヤードのFGフィールドゴールを決めています。今シーズンの最長は55ヤード。50ヤード台は他に2本決めています。ホルダーは13番。QBクォーターバックのナイトです」

「もう見慣れてきましたね」

「おっとここで49ersフォーティーナイナーズがタイムアウトを取りました。これはアイス・タイムアウトでしょうか」

「そうですね。キッカーの緊張感を切れさせようとする常套手段ですが、あまり効果があるとは言えません」

「そういえばジャガーズはもう一つタイムアウトが残っていましたが、どこで取るべきだったでしょう?」

「結果論になってしまいますが、2ndセカンドダウンの後でしたかね。25秒くらいは残ったでしょう。ハドルを組んで、サイドラインからコールを入れて、3rdサードダウンで一度長いパスを投げるという選択肢があったと思います。サイドライン際はカバーされるでしょうけど、中央へ投げて、エンドゾーンの手前で止まってしまってもよくて、急いでスパイクすれば3秒か4秒は残って、もう少し短い距離のFGフィールドゴールを蹴られたかもしれません」

「タイムアウトが解けて、残り5秒。51ヤードのFGフィールドゴールトライです。蹴りました。方向はいい。距離はどうか」

「入りましたね。素晴らしい」

「残り時間も0になりました。6対6、同点でハーフタイムを迎えます」



「遅いぞ、アーティー。何をやっていた」

 ロッカー・ルームへ行く通路の途中で、ジョーが待っていた。FGフィールドゴールの後、ボールを拾ってスタンドの客にプレゼントしてたんだよ。これもファン・サーヴィス。

「どうしてこんなところで待ってるんだ?」

「ダニーのRPOラン・パス・オプションはどうだった」

「悪くないんじゃないの。後半はもっとよくなるだろう」

「そうか。意見が違うな。お前、後半最初のドライヴに出ろ」

「交替? それともワン・ポイント?」

「まずはワン・ドライヴ。チェンジ・オヴ・ペースだ」

「約束どおり、ロッカー・ルームでそれを宣言してくれよ」

「心得ている」

 ワン・ドライヴか。さてさて、何回スナップできることやら。

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