第648話 遼太郎改造計画

おっさん流石にそろそろ戻らないと・・・・


そう思っていると千亜希が聞いてきた。

「ねえお父さん?この人貰っていい?」


いや、物じゃないんだからさ・・・・


「それは一応遼太郎の・・・・もし千亜希が本当に必要なら、数体・・・・工面できるよな?和佳。」


「はいマスター。まだまだ沢山精霊は来ていますから。」


「そういう訳でな、今いる精霊は、後で遼太郎に返してやってくれないか?」


「・・・・そうなんだ?仕方ないわね・・・・ええと、一体二体って数えるの?一人二人じゃなく?」


「ああ、少なくとも精霊はそう数えてるなあ・・・・それとね・・・・千亜希に渡しても、多分女の精霊だぞ?」


「え?そうなの?別に男の精霊じゃなくっていいけど・・・・色々してくれるなら女の子の方だよ?」


そうなのか?まあ安心したけどね。


「あなた?この2体でいいのかしら?私と千亜希で好きに使わせてね?」


「それはいいけど・・・・人と同じように接してね?」

「別にとって食いはしないわよ?ちょっと千亜希の事を見てほしいのと、私の事業の補佐してほしいから・・・・そこの和佳さん・・・・だったわね?暫く遼太郎を任せます。遼太郎、この和佳さんを暫く母と思い、決して手を出さないようにね。」


・・・・どうしたんだ友里奈。

「どうしたんだかーちゃん?」


「・・・・少し事業に本腰を入れたくって。まあ、もうけ度外視の事業だから、いいのですけどね・・・・」


友里奈は今、ある事業をしているようだ。

まあ、資金はあるから、金儲けの為じゃないらしくってね。まあ、人助け?慈善事業と言うやつかな。


日本にも貧困層はかなりいる。

そして・・・・一度その貧困層になってしまうと、這い上がるのは容易ではない・・・・

その、這い上がるための手伝いを・・・・背中を押してあげているらしい。


おっさんも貧乏には苦しんだからね・・・・


子供の頃は長屋暮らし、無論風呂なし・・・・

トイレもぼっとん便所、一応トイレが隣の家と仕切ってるけど、大の方の穴が繋がってるような・・・・


中学生の頃にようやく近くに一軒家の貸しが空いて、そっちに引っ越したけど・・・・

その後もおっさんが社会人になる直前、父方の祖母が亡くなって・・・・

その時にほんの少しお金が入って・・・・

おっさんも働くようになって、ようやく底辺から脱出できたけど・・・・


あれはなかなか辛かった子供時代だったなあ・・・・


まあ、子供だったからあまりそんな事は考えなかったけど。

それに、長屋は似た年齢の子供が沢山いたし、毎日誰かの家で遊んだっけな・・・・


ただ、おっさんと違い、友里奈の家系は皆金持ちだったからなあ・・・・

親戚一同裕福なんだよね・・・・


だから何故友里奈がそうして慈善事業を立ち上げてるか、いまいちわからないんだけど・・・・

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