第274話 おっさん、長と話をする
「本来ならファート様とサージュ様はもっと早うにお子を授かりたかったようなのじゃが、男の賢者が出現しなくてのう。4属性持ちの男すら現れぬ有様じゃ。賢者殿は数千年ぶりの男の4属性持ちなのじゃ!」
「えっ!というか基本土魔術だけなんだけど?」
「賢者殿は他人のスキルを自分の物にできるのであろう?そのようなスキルは滅多に存在せぬし、アイテムとなると国の秘宝故個人所有はほぼできぬ。一部入れ替え等のスキル持ちの存在もあるようじゃがそのようなスキルも制限が多いと聞く。」
「うん?」
「それにのう、普通人間は多属性の魔術は持てぬし、発現せぬ。2属性持ちは滅多におらぬし、3属性持ちなど一つの時代に数人しか存在せぬし。光魔術と闇魔術はまた別物じゃが、同時に所持はほぼ無理じゃ。無魔術に関してはわからぬ。ごくたまに所持しておる輩もおるようじゃがな。」
・・・・おっさん敵対した奴のスキル奪いまくったからなあ。誰のスキルだったとか分からんし。
「それに、男性の賢者は3人同時に現れるという奇跡があったのち途絶えておった。その後は女性賢者ばかりが現れ、最後に現れたのは恐らく500年ほど前じゃな。」
・・・・何だよ賢者って?
「ファート様とサージュ様は恐らく自分より魔術に優れた男に会った事すらなかったはずでのう?普通人間にはエルフは接触せぬのじゃが、賢者殿に会うために色々と人間のパーティに潜り込んだりしておられたとか。恐らく最初に接触した時は、まだ賢者殿は4属性持ちではなかったのではあるまいか?もしくは4属性あれども賢者の発現の魔術の何かが足りなかったのではなかろうか?」
「ああ、うん、たぶんファートとサージュと行動を共にし始めた時はまだいくつか所持してなかったはずだよ。」
「ほう、やはりそうであったか。しかし、賢者殿は・・・・人のようで人ではないな?ひょっとして異世界人かのう?」
「・・・・よくわかるね?」
「うむ。伊達に歳は取ってはおらぬ。賢者殿は召喚者かのう?転生者かのう?」
「召喚されたんだよ、無理やり。召喚者とか知ってるの?」
「ふむ。過去に何人かおったのう。最近はどこぞの国が無理やり召喚をしてスキルを奪っておると聞いておる。この世に生きるすべての者より優れたスキルを所持しておるとか。賢者殿の魔術が違うのはその所為か・・・・どれ、もそっとちこう寄るがよい、賢者殿。もう少し詳しく見てみよう。」
・・・・おっさんその長の目に引き込まれるようにもう顔と顔がくっつきそうなぐらいに近づいたよ。目が真剣だったからね。そして、長はおっさんの顔を両手で挟み、何やらつぶやいてね。
・・・・
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