第173話 シラカワ領の立ち上がり

シラカワ領内のシラカワ商会は順調な立ち上がりだったよ。

まだ領内には普通の人はいなくてね、職人さんや農家の人ばかり・・・・まあこの人達が普通の人と言えば普通の人なんだけどね。

所謂労働階級の、日本ではおっさん達の事なんだけどね。

領地の人口を増やすには就職先は大事だよね?

何もない所に来てもらうんだから、最初からある程度住みやすい環境になってたら移住しやすいよね?


居住環境は、ある程度おっさんの土魔術で用意したんだよね。

寮みたいなのが大半なのだけど、一戸建てを希望する人や、農家の人はそもそも畑が広すぎて、畑の近くに住みたがってね、そういう人のために一戸建ても用意したんだよ。

尤も平屋建てだけど、えらく気に入ってくれてね。

どうやら今まで住んでいたのはもう倒壊寸前のボロ家だった人たちが大半でね、以前のより広いし清潔だし快適だし、綺麗だし!

おっさん風呂も用意したんだよ!

どうやら地下かなり深く掘ると温泉が湧く確率が高くてね、ある一定ごとに源泉用意していて、これを数十軒で利用してもらってる。

飲用水もここから引いてね。

まあ、冷水が欲しい場合は・・・・一度ため水してから使ってもらうしかないかな?

川が近い所は川の水を使ってもらったりね。

畑はある程度川から近い場所を選んだんだよ。

水はいるからね。

用水路も作って、ここから水を確保してもらおうって感じでね。


そして、まだ領地のほとんどが手付かずという現状でね、道と用水路はある程度作ったんだけど・・・・特に道は馬車が対向できるような太いのをね。

ただ、本当に何もないからね、今はおっさん、要所要所になりそうな場所にゲートを設置する予定でね。

そこを基準に街が発展してくれたらなあ、って思ってね。


貴族の息子も問題があるんだよね。

おっさんの住んでいる付近に皆居たがってね。

辺境とはいえ、ゲートで帝都との行き来が簡単で、道も整備されて馬車での移動も容易。

しかもおっさんが用意した貴族の子息用の居住空間が快適らしくてね。まああくまで貴族の息子、貴族の当主じゃないからそんなに広くはないんだけど、まあ主におっさんの館の運営に関わってもらうので、館に住んでもらってるんだけど、食事もおいしい、風呂は温泉で快適、寝具もね、おっさんが用意したんだけど、これまたいいんだよ。おっさんが使ってるのと同じのだしね。


領内の警備やらもしてもらってるし、魔物への警戒もしてもらっていてね。どうしてもいるんだよね、ある程度武力のある、知識もある人間が必要でね、こういう時は貴族の息子ってのはうってつけでね。

しかも3男以降は外に出る必要があるから、おっさんの領地で居場所を確保するには、しっかり仕事をしてもらわないといけなくてね、この辺りの管理は、ロートレック公爵の息子のセヴランと弟のジスランに任せてね、兄のセヴランは主に警備を・・・貴族の息子の監督も兼ねてね、で弟のジスランは頭が切れて、こちらにはおっさんが管理できてない領地の治安、治水、館の管理等々の事務的な方を見てもらってるんだよね。

武術に秀でた人間は領内には多いんだけどね、事務方の人間が少なくて、この人材の発掘もジスランがしてくれて、少しずつ人材が確保されてるんだけどね・・・・男はなかなか集まらなくて、何故か見目麗しい婦女子が多数事務方にいてね・・・・どうしたんだ?ジスラン君。

君が女性ばかりを何故登用したんだろうと思いおっさん確認したんだけどね。

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