70話 快楽に耐える特訓
「あたしの特訓に付き合ってちょうだい」
真里亜先輩が、真剣な表情で言い放った。
詳しいことはまだ分からないけど、私なんかが役に立てるのなら光栄だ。
「いいですよ。なんの特訓ですか?」
「快感に耐える特訓よ。いまから四つん這いになるから、あたしが限界を迎えるまでお尻を叩きなさい」
言うが早いか、真里亜先輩は席を立ち、スカートとパンツを脱いでから手頃な場所で四つん這いになる。
動きが自然すぎて疑問を呈する隙もなかったけど、下半身を丸出しにする必要はあったのだろうか。
「さぁ、来なさい!」
真里亜先輩は四つん這いの状態で顔をこちらに向け、力強く告げる。なんともシュールな光景だ。
とはいえ、一度引き受けた以上は付き合おう。
私も席を立ち、真里亜先輩のお尻付近に移動する。
「ところで、他に方法はなかったんですか?」
「パッと思いつくのは、腹パンか首絞めかしらね」
「ごめんなさい、いまの質問は忘れてください」
改めて、真里亜先輩のお尻に視線を落とす。
剥き出しになったつるつるの柔肌はあまりにも美しく、さらには愛する恋人の体ということもあり、易々とは叩けない。
ただ、いつまでも下半身丸出しのままだと風邪を引いてしまう。
私は覚悟を決め、右手を軽く振り下ろす。
「んっ、くぅっっ」
真里亜先輩の体がブルッと震え、苦悶の声が漏れる。
後ろからだと表情は見えないけど、歯を食いしばっているのだろう。
「あらあら❤ なかなかやるわねぇ❤ 心の準備ができていたとはいえ、絶頂せずに踏みとどまれるなんて❤」
「いつまで耐えられるか、見物だね~」
「ゆ、悠理は手加減、してた。本番は、こ、ここから」
めちゃくちゃ注目されてるんだけど……。
「次、行きますねっ」
私は自分の仕事に専念しようと思い、今度は左手で、さっきよりも若干強めに叩く。
手のひらと真里亜先輩の大きなお尻が勢いよくぶつかり、パチィンッと軽快な音が鳴る。
「――――っ!」
言葉にならない淫らな悲鳴を発した直後、真里亜先輩がガクッと膝を崩して床に倒れ込む。
スラリと長い脚に視線を奪われてしまいそうになるけど、いまは呑気に見惚れている場合ではない。
「だ、大丈夫ですか?」
「く、悔しいけど、今日はここまでね。悠理、ありがとう。また今度、お願いするわ」
そう言いもって立ち上がり、パンツとスカートを穿いてから着席する。
あとで聞いた話によると、少しでも鮮明に刺激を感じるために素肌を晒したらしい。
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