第80話 『絶望』
既に俺達の前にあった数千本の矢は・・・無い。
俺達の時間が一気に進み出す。
俺が一歩前に歩みだそうとした瞬間・・
ティナの体が
『グラッ』
っと傾き、ティナの体が地面に倒れてゆく。
俺は瞬間
「ティナーーーーーーーーーーーーーーーーー」
と無意識に叫ぶと同時に倒れてゆくティナの体を抱き締めて何とか地面に激突する寸
前にすくい上げる。
「パリン」
それと同時にティナの首に掛けていた『マナ強制供給の魔道具』が粉々に砕け散る。
『クソッ』
全部後手に回りやがって!!
俺はそんな悔しさを
『グッ』
っと無理やりに胸に押し込めて
「ステア、此処に入るのは後回しだ!!『ステラナ』の地に帰る」
と言った瞬間ステラナ城の最上階のテラスに転移
即行でティナをベッドに寝かせて
『
垂らすが・・
『飲み込む様子が・・・無い』
心臓の・・鼓動も・・・
息・・さえも・・
『全くしていない!!』
俺はProtect lifeのアンプルを自分の口に吸い込んでティナのくちびるにおれのくち
びるを重ね舌で気道を開けてティナの口に流し込む。
『ティナ目を覚ましてくれ!!』
「そしてまた何時ものように俺に笑いかけてくれよ」
そう無意識のうちに言葉に出していた俺
ステアの方を見るが
ステアも悲痛な表情で
『自分にも解らない』
という風に頭を左右に振って俺を見る。
ステアにも解らないか・・
俺がもっとしっかりしていれば!!
こんな事にならなかったのに!!
俺がベッドの縁に手を付いて項垂れているとステアが後ろから俺を抱き締めてきて
「そんなに自分を責めないで、誰も悪くわ無いわ」
と慰めてくれる。
だが・・
『今回は全て俺の力不足!!』
もっと力を付けなければ!!
『このままじゃ俺は誰も守れない』
何をすれば良い?
俺はどうすれば良い?
今の俺は俺は何一つ・・思った事も出来やしない!!
俺はステアに後ろから抱き締められながら・・・
無意識に・・・
真っ白なベッドのシーツに涙を落としていた。
「泣かないで」
「自分を責めないでください」
俺を後ろから抱きしめたステアが、そしていつの間にか俺の右側から俺を抱き締めたナサリーが俺を心配して声をかけてくれる。
そして・・
そう声を掛けてくれたステアとナサリーの瞳にも涙が滲んでいた。
つづく・・・
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