第36話 『やっぱり指示は小まめにやらなきゃな』
俺達の周りに出来上がった広さ100メートルのミステリーサークル
『どうしてこうなった!!』
俺はそう言って大きくため息をついた。
やっとパニックから復帰した3人は
「何なにこれ~~なんでこんな事になってるの~」
とステア
「えええええええええええええええええ何これ~」
とまままたナサリー
『何で凝んなことになってるの~?と言われても貴方達がやったんでしょ!!って言いたいわ~!!』
タダ・・・ティナだけ・・手が震えているよう
俺はそんなティナを抱き締めて
「だいじょうぶ~だいじょうぶだから~落ち着いて、」
と言って大きく背中を
『トン』
『トン』
っとティナが落ち着くまで叩いてやる。
当然
ステアなんて
「ライアンどさくさに紛れて何やってるの~~」
と俺とティナの間に割り込んでこようとするし、ナサリーも
「え~私を置いてティナさんだけズル~イ~」
と言ってあからさまに不機嫌な表情で、俺の左側から俺の体をユサユサと揺すり始める。
しょうがないので3人纏めて一緒に抱き締めながら
「ティナはこのダークウィーズの森の中に迷い込んで、サンダーウルフの群れに手足を食い千切られて死ぬ寸前だったんだ。あれだけのサンダーウルフの群れに再度囲まれたらこんな風に震えて体が動かなくなっても無理は無いだろ!!お前達に話してなかったのは悪いと思うが、こうやって怖くて震えてるんだ。少しはティナの事も解ってやってくれ」
と俺が話すと
「ごめんね~私凄く怖くってパニクっちゃって~」
と2人にペコペコと頭を下げるティナ
3人で森の中で抱き合っている少女3人、見た目は百合百合である。
一人は女装させられた男なのだが・・・
『あくまでもナリア帝国の刺客の目から逃れる対策だからな!!スカートが気持良いからずっとこのままで居たいなんて言ってないからな!!』
ステアとナサリーにティナは頭を撫でられながら慰められて、元気を取り戻したようだ。
3人ともパニクって、無意識に暴走・・・
『怖えぇ~~~怖すぎだぞ~~』
今日実践経験を何度か経験すれば、少しは慣れて暴走抑えれるかな?
兎に角、何事も経験だもんな!!
「私達を助けてくれてありがとうございます」
と抱き着いて俺の胸に顔を埋めていたティナがお礼を言ってくる。
「これはお前達がやったんだぞ?」
と俺は言ったのだが・・・
「うっそだ~」
「またまた私達にこんな事出来るはずないじゃないですか~」
とステアとナサリーまで・・・
これは、ちゃんと訂正すべきなのか・・
まあ~何回かやれば自然と解るか・・
そう思って
「じゃ~これはスレラナの肥やしだな」
そう言って、ジャム状になったサンダーウルフの死体200頭分とミステリーサークルと成り果てた広さ100メートルほどの範囲の倒れた木々を一緒にステラナに吸収
『進化した状態でこれだけの吸収・・・帰ったらどうなっているかちょっと心配』
「じゃ~次に行こうか」
とまた更地となったミステリーサークルを超えてダークウィーズの森の中に入ってゆく。
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
っと、地面に落ちた枯れ枝を踏む俺達の足音だけが森の中に響く。
今さっきのサンダーウルフの襲撃がまだ心の中に残っている為か、俺の周りに3人は固まって移動。
俺としては時々触れる3人の体の感触に
「ひゃう」
「ふにゃ」
「ひっ」
っと声にならない変な驚きの声をあげ・・そうになって途中で止めるという状態が続いて、非常に心臓に悪い。
『また50メートル程森の奥で気配感知』
「ゴブリンの10頭位の群れが居るから今度は落ち着いてね」
と声をかけると
「はい頑張ります」
と3人緊張した声で返してくれる。
今度は俺ももうちょっと気をつけてコマメに指示してみよう。
と心に決め
「じゃ~弓を引いてゆっくりと前進するよ、最初私が矢を射るから皆はそれに続いてね」
と指示
矢を射るタイミングも解るだろう!!
最初からこうやっておけばよかったんだと反省
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
っと枯れ枝を踏み抜く音だけが相変わらず森の中に響く。
2分くらいした頃・・
物凄く近くに気配感知
「みんな止まって」
と3人を止めてから1分くらいすると
俺達の足音じゃない
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
『パキッ』
っと枯れ枝を踏み折る複数の足音がした!!
「みんな弓を構えて」
俺は即座に皆に指示
まだゴブリンの姿は見えない・・
1分後
森の木々の間から体長2メートル位のゴブリンの姿が見え隠れするのが見えた。
「私が最初に矢を射るから皆それに続いて、一本づつ焦らないように矢を射って」
と言った瞬間俺は4本の光の矢を体の前に出現させ、ゴブリンに向け一気に射る。
「グキャ」
「グキャ」
「グキャ」
「グキャ」
「グキャ」
という悲鳴を上げながら、4体のゴブリンが一気に倒れる
俺に続いて3人が矢を射った
「シュ」
「シュ」
「シュ」
3人が矢を射った瞬間
「もう一度弓を引いて矢を射って」
と指示
おれの指示通り3人は再度光の矢を出現させ矢を射った。
最初の矢は自動追尾でゴブリンを次々に仕留め、次に続けて射った矢で自動追尾した
3体のゴブリンが倒れる。
合計10匹のゴブリンを無事に俺達は無難に仕留めた。
づづく・・・
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