第21話 『あの場所の名は』

無事に『血の盟約』の儀式?

あれは儀式って言うのだろうか?


とんだハプニングはあったが無事に終わった・・・と思う。

まさか、あの『血の盟約』をしたら俺の考えている事が、他の3人に全部ダダ漏れになってるなんて全然俺は知らなかった。


迂闊にエロい事さえも考えられないじゃん!!

もしもそんな事を考えようものならば!!


『ライアンちゃん可愛い格好しているのにエロエロな事したいんですね』


って絶対に3人は俺を攻めて喜ぶだろうな。

俺は自由に想像すら出来なくなったのか~


うう虚しくなってきたな・・


とそんな事を思っていたら

「うふふっ~ご希望ならばいろんなうふふな事してあげますよぉ~」

「ライアンちゃんはどんなプレイが良いですか~?」

「私と子作りしちゃいますか~?」


と俺を早速弄んでくる3人。

「純情な女の子を3人で苛めないで下さい」

と俺は頭を下げてお願い。


「我慢したら体に毒ですよ~」

「ちゃんと出さないと体にわるいですよ~」

「今日早速しますか~?」


『若干1名不穏な事を言ってる奴が・・・ナサリーお前本気なのか~~?』


・・・


・・・


・・・


・・・


俺は食事が来るまで延々とそうやって弄られていた。


『俺って弄られキャラなのか~~?』


『コン』


『コン』


っとドアが2回ノックされた後、お食事のご用意が出来ました。

と声が聞こえた後、ドアが開き最初の食事が運ばれてきた。


お皿の真ん中ににちょこんと小く飾りつけられた色鮮やかな料理

前菜?アミューズ?

しっかし助かった!!

あのままだったら俺は何時までも弄られていた。


『食事に助けられるというのはこんな事を言うのかもしれない』


ここのオーナーだろう老紳士が料理の説明をしてくれる。

その時・・

「失礼ですが・・」


と前置きした後


「そちら様方はS級の冒険者とお見受け致しますが、この街では初めてお見受け致


したと記憶しています。もし珍しい魔獣の肉とか心当たりがありましたら譲って


頂けないかと思いましてお聞きした次第でございます」


と言って俺達4人の姿をゆっくりと見回してくる。

ティナ、ステアは俺をじっと見つめ、ナサリーは俺と、ティナとステアの顔を不


思議そうに交互に見ている。


ティナとステアは俺に対応しろと言う事なんだろう。

「サンダーウルフの肉ならば持っています」

と老紳士に伝えると

「それは凄い超S級の肉ですな、お譲り頂く事は可能でしょうか?」

と目を皿のようにして俺に食い入るように聞いてくる。


「何処に出せば宜しいですか?」

と聞くと

「これはアイテムバックをお持ちでしたか、では厨房の方にお願い出来ないでし


ょうか?」

と丁寧に俺にお願いしてくる。

俺は3人に先に食べていてくれと伝言して、その老紳士について厨房に入ると、


厨房にいた料理人が一瞬


『固まった』


まあ厨房に、ドレス姿の女の子が入ってくれば驚くよね。

それも何も持たないで・・・


俺は早速、老紳士に

「でサンダーウルフの肉は何体出せば宜しいですか?」

と聞くと

「そんなにサンダーウルフの肉をお持ちなのでしょうか?」

と聞いてきた。

女の子が何体ものサンダーウルフを狩るなんて思っていないのかもしれない。

あ・・この周辺にはサンダーウルフは普通生息していないからな。

サンダーウルフは北の国に生息する生き物だから珍しいってギルド長が言ってた


な。


『サンダーウルフのステーキ肉1枚金貨1枚するって言ってたもんな・・』


「取り敢えず1頭だしますので、何頭いるのかはお任せします」

と伝えて調理台に1頭サンダーウルフを出すと


「ええええええ~」

「うをぉ~」

「ひぃ~」

「こ・・・こんなに大きなサンダーウルフ見たこともありません」

数々の反応が帰ってきた。


老紳士も、何体要るのか考えあぐねているよう・・

そうだよな、普通体調1メートル程度だもんな。

普通の2倍以上はあるもんなこのサンダーウルフ


老紳士が

「こんなに大きいとは思ってもみませんでしたのでびっくりしました。それに心


臓を鋭い刃物で一突き見事な腕前ですな。流石S級の冒険者ですな。そうですなで


は2頭頂けたらと思います。代金は如何程お祓い致しましょう?」


「代金は今日の食事代タダというのはどうでしょう?」

「それは私どもが儲け過ぎでございます。ではこの肉が無くなった時に再度納品


は可能でしょうか?差額はその時私どもがお支払いするという事でどうでしょう


?」

と俺の提案に返してくる。

俺はそれでもいいが・・

連絡方法がな・・

あ・・

「定期的にギルド支部に来ますから、肉が必要になったらギルド支部に連絡して


おいて下さい」

と言うと

「そうさせてもらいます」

と商談成立

2頭と言ったのでもう1頭サンダーウルフを出して冷蔵庫に2頭をしまってあげ


ると・・・


『驚かれてしまった!!』


可愛い?女の子が体長2メートル以上あるサンダーウルフを2頭次々に軽々と持


ち上げて冷蔵庫にしまう姿は中々にシュールだったらしい・・

『私のイメージ壊れちゃいました?汗・・ですわ』


個室に帰った時には皆次々に食事が進んでいてびっくり。

「サンダーウルフの肉とここの料理を交換にしたから、ここの食事は暫く無料に


なるらしいよ」


と皆に伝えると

「ほ・・本当ですか~凄いです~こんなにも美味しい食事が無料で食べられるな


んて幸せです~~」

ティナお前、結構長い間いい物食べれて無かったのか?

ステアは

「う~んこの料理は、あれとあれが入っていますね、調味料は・・・ですか・・


と出された料理を食べながら分析?

自分で作るって言い出しそうだな


「わたしゅこんなにもおいしぃい料理たべたことないでしゅ・・(´~`)モグモグ


ってナサリーお前の給料じゃここの料理は無理かもな・・

ってナサリーいくら美味しいって言っても食べながら喋るんじゃな~~い!!


俺も食事に参戦

遅れを取り戻すべく、無心に食事に没頭。

食事に没頭し暫くした頃・・


「コン」


「コン」


っと個室のドアがノックされ

「お食事をお持ち致しました」

と言って老紳士がドアを開けてキャスターに料理を一杯載せてやってきた。

そして

「今日頂いた、サンダーウルフの肉は私が今まで見た中で最高の物でした。こんな最高の肉はもう巡り合うことはないでしょう。なので早速料理致しましたんもでご賞味下さいませ。それと心ばかりではありますが別のお料理もお持ちいたしましたのでお召し上り下さいませ」


と言って、各自の前にサンダーウルフのステーキが乗ったお皿と、テーブルの真ん中にオードブルの乗ったお皿をおいてくれる老紳士


「ではごゆっくり」


と言って老紳士とメイドさんは下がっていった。

「こ・・これは美味しすぎましゅ~~」

ナサリ早速フォークをつけて食べてるぞ!!

「ナサリーそれしかないんだから、ゆっくりと食べなさい」

「おいししゅぎましゅ~~(´~`)モグモグ」

くそ全然聞いてない!!

ナサリーは全然俺の言った事を聞いていないみたいだ・・

後で絶対にもう無いの~~ってブーたれるパターンだなこれは!!


俺は気になっている事が一つ有る!!

それは、俺が手に入れたであろう場所

あの場所の名前が無いのだ!!


皆に伝える時に、あの場所に行く時に伝えるのに困るんだよな・

「みんな食べながらでいいから、聞いて欲しいんだけど、私達が住むあの場所の呼び方が無いんだけど、何か良い名前無いかな?」


と聞いてみると

「ライアンが良いです」

と早速ティナ

「ライアンは私の名前で~紛らわしいから却下ですぅ~」

俺は早速その提案は却下

「うふっ~ライアンちゃん女の子言葉水分慣れましたね~今の言い方可愛いですよ~」

とステアが早速突っ込んでくる。

「ほっぺを抓られたくありませんからね~」

と俺もやり返す。

「なかなか手ごわいですねライアンちゃん。なかなかボロをださなくなっちゃいましたね~」


くそ!!ステアの奴、どうしても俺にボロを出させたいみたいだな!!

意地でもボロなんて出さないぞ!!


『これって俺ドンドンと深みに入っていってる気がするんだが・・ステアに誘導されてるのか?』


「ステアはあの場所の呼び方なにか希望有る?」

「ステアちゃんとかどうですか~?」

「それは貴方の名前です!!それも紛らわしいから却下」

「え~私いいと思うんですけど~~」

「却下です」


もうステアの奴本気で考えてるのか?


「ナサリーは何か希望は有あるの?」

「このサンダーウルフのお肉さいこうでしゅ~(´~`)モグモグ」


『ナサリーコイツ全然聞いてないな。ナサリーに聞くのが馬鹿だったわ』


ティナが何か思いついたのか

「え~っとですね~今ふと思いついたんですけど、みんなの名前の頭一文字づつとったらどうでしょう~?

例えばですね~

『ステア』 の 頭一文字を取って 『ス』

『ティナ』 の 頭一文字を取って 『テ』

『ライアン』の 頭一文字を取って 『ラ』

『ナサリー』の 頭一文字を取って 『ナ』


全部合わせると あの場所の名前は『ステラナ』

そして私達のお城は 『ステラナ城』にしたらどうかなって思うんですけど皆さんはどう思いますか~?」


「うんうんソレ良い~~良いよ」

ステアはめちゃめちゃ大ノリ

「俺もそれで良いと思う」

「わたしゅもそのなまえがいいでしゅ(´~`)モグモグ」


若干1名どうでも良いかんじで言ってる奴がいるか良いか!!


「じゃ~あの場所は今日から『ステラナ』と呼ぼう。良いですか~?」


「は~い」

「賛成~」

「(´~`)モグモグライアンさんそのサンダーウルフの肉たべないんなら下さい~」

と言った瞬間ナサリーは俺のサンダーウルフのステーキ肉を取っていってしまった・・・予想通りの事をする残念キャラだったな・・

可愛いんだけどな~巨乳だし・・


という事であの異空間の場所は『ステラナ』に決まった。


つづく・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る