第16話 『この2人は俺の嫁候補だ!!』

ティナに渡していた魔法のポーチへ跡から倒したキメラ8000頭、キメラの食べ残しの兵士の残骸、

すでの屋敷を出てダークウィーズの森でサンダーウルフを倒した3000頭、そしてキメラ1000頭を合わせると相当数の魔獣がこのポーチに入っている。


サンダーウルフは多分だがキメラを作るまでの魔獣の試作品かもしれない。

最終的にキメラの量産体制を整えたナリア帝国は勝てると見込んで魔獣軍団を魔道具で操って攻めてきたのだろう・・


俺はステアをお姫様抱っこしティナはおんぶ

そんな恰好で空中を駆けずり回り狩った魔獣を魔法のポーチに回収

まあ2人はあそこにも、此処にもと眼下に残っている魔獣を見つけては俺にいってくれるから助かってはいたんだが・・

2人は結構楽しんでいたみたいだから良いか!!


魔獣を回収後エレノアの街への街道を大きく離れて道なき草原の上を飛び、エレノアの街まであと2キロという所で街道の傍の草原に着地しぐずるステアを宥めてお姫様抱っこしていた腕から降ろすのに一苦労!!


ステアはいつの間にか俺にお姫様抱っこをされるのに慣れてしまったのか、なかなか降りてくれなくなった・

でも流石に街では


『お姫様抱っこ』


で歩いている人間は居ない!!


気配消去を俺達3人にかけた状態で街道に出て徐々に気配同化をかけてゆく。

こうする事で、違和感なしに群衆の中に紛れてゆく事が出来る。

ダークウィーズの森にサンダーウルフの群れが出現し被害が出ているという事で歩いている人は疎らだ。


その代わり、護衛の付いた幌馬車が多数行き来しているよう。

ダークウィーズの森へ行く時は誰も居ない草原に出て道なき草原の中を瞬足を使って走り抜けたからこんな風になっているとは気がつかなかった。


通り過ぎる荷馬車の中から俺達を興味深そうに見ながら通り過ぎる荷馬車に乗った乗客達。

確かに・・

俺達異常だよな~

昨日までボッチのソロ冒険者がさ~

真っ白なドレス姿の女の子2人にサイドから両腕を抱き締められて街道を歩いてるんだからそりゃ~目立つよな~~


エレノアの東門にようやく着いたが門の前にはエレノアの街に入る為の荷馬車の長蛇の列が続いていた。

俺達はその最後尾に並ぶ。


そのエレノアの街に入る為の検問を待つ長蛇の馬車の列を目当てに食べ物を売り歩く子供達の姿や台車に焼き鳥等を積んで焼きながら行商をする商人が忙しく待っている人に声を掛けている。


俺はその焼き鳥を売っている屋台のオヤジに

「そこのおやっさん焼き鳥6本程売ってくれないか」

と声を掛けると早速屋台を引いて俺達の所にやってくる。

「6本で代金は銅貨1枚と銭貨20枚になります。って誰かと思えばライアンの旦那じゃないですか~旦那が焼き鳥買うなんて珍しいですね。綺麗な女性を連れてるって事は良い人でも見つかったんですか~それも2人も?」


「あ~焼き鳥此処で売り歩いてたのダックだったのか~俺は冒険者だから普通は自前で食べ物調達出来るからな。あ~この2人は俺の嫁候補だ!!1年間付き合ってみて気に入ってくれたら結婚してくれるってんで、こうやってゴマをすってる所さ~」


と言って銅貨2枚をダックに渡す時

「釣りは良いぞ取っておいてくれ」

と言って銅貨と交換で焼き鳥6本を受け取る。


「うはっ~~ライアンの旦那気前いいじゃないですか~これはおまけです」

そう言って2本を追加でくれるダック

「悪いな」

俺はダックに2本の焼き鳥を追加で受け取り、ティナに3本、ステアの3本渡し俺は2本の焼き鳥を貰った。

ティナとステアは珍しそうに焼きたての焼き鳥を両手に持って見ていたが美味しそうな匂いに負けて一口くちをつけた瞬間


「ほいしいでしゅ」

「あつあちゅでしゅ」


二人はまだ熱々の串焼き鳥肉を美味しそうに頬張りながら感想を言っている。

「食べてから喋れよな~」

2人とも育ちが良いからこんな風に焼き鳥なんて食べたこと無かったんだろう。

本当に美味しそうに食べる奴らだな。

『小動物みたいで可愛いぞ・・俺萌え死にしそう』


「ライアンの旦那はこんな綺麗な女性2人を連れて何処に行ってたんですかい?」

とダックが聞いてきたから

「ダークウィーズの森にサンダーウルフの群を狩りに行って戻ってきた所だよ」

と伝えると

「あ~あそこの森で最近サンダーウルフの襲われて亡くなる人間が後を絶たないって聞きましたがライアンの旦那は大丈夫だったんですかい?」

「あ~大丈夫だったよ。この3人でサンダーウルフ5000頭ほど倒してきたからギルドへ報告に行く所さ~」

「またまた~ライアンの旦那嘘いっちゃダメですよ獲物ぜんぜんもってないじゃないですか~それに5000頭だなんて・・」

「いや本当だぞほれ」

と言って目の前に体調2メートル位のサンダーウルフの死体を出すと

「ええええええええええええええええええええ~こ・・これがサンダーフルフですかい?こんなのがあの森に居るんですかい?一口で食べられちゃいそうですね」

とダックが驚いて大声を上げたものだから、並んでいた人達は一斉に俺達を見て・・

そして俺の前に取り出した体調2メートルはある巨大なサンダーウルフの死体をみて

「おお~~あれがサンダーウルフ」

と口々に驚きの声をあげる。

一番先に食いついたのが商隊の商人達!!

一斉に俺達の所に集まってきてサンダーウルフの体調2メートルもある死体を覗き込み

「凄いお手並みですな。心臓を細い武器で一突き!毛皮に傷が殆ど無い最高の状態ですな。1匹金貨10枚で買取りたいのですがどうでしょう?」

「それは良いが、何匹いるんだ?大きな声では言えないが数千匹あるが一気に出すと値崩れするからあまり出したくないんだ。それと、魔核は既につかってるから無いぞそれでも良いならゆずるが?」


「ほうそれは凄い!!では取り急ぎ10匹頂きましょう。それと今後も取引は可能でしょうか?可能ならばここにご連絡頂ければ何時でも買取させて頂きます」


「ああ~大丈夫だ。10匹何処に出せば良い?」

「此処で良いですよ。私はマジックバック持ちなので大丈夫です」

と言ったので10匹その場にサンダーウルフを出して金貨の100枚入った袋と交換する。

すると・・

次々に・・

「私にも!!私にも分けてくれ!!」

「私にも!!」

「私もだ!!」

「俺もくれ!!」

・・・

終わってみれば・・

200頭が売れ金貨2000枚の臨時収入となってしまっていた。


つづく・・・

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