第1192話 掘り出し物のロマン


 カラン、とゾムが吐き出したのは一振りの剣であった。


 ゴミ山に埋もれていただけあって、錆びてるとか腐敗しているとかそいう表現じゃ足りないくらいボロボロになっていたが、その奥から薄っすら光が漏れ出ている、気がする。恐らくは相当な業物なのだろう。もしかしたら剣の形をしたゴミっていう可能性もあるが


 スキルを通して情報を鑑定しようとすると、


・エ#&;pQigィF 大剣 ??級


 と表記された。ちゃんとバグっているようだ。ただ、これが剣であることは確かなようだ。後はそれをどう研磨していくかだが、まあそれはおいおいでいいだろう。


 それにしてもデカいな。今まで使ったことある剣は、長剣か短剣であることが多かったので、大剣は初めてだ。長剣に比べて刀身の長さだけでなく横幅もかなりある。普通にそこら辺のスライムなら叩き潰せそうな感じだ。


 重量もかなりのものになりそうだが、ステータスを上げまくってしまった俺からすると鉛筆くらいの軽さになってしまってる。逆に扱いが難しくなりそうだ。


 さて、掘り出し物もゲットしたし、この世界もだいぶ広くなったからもう帰りたいんだが、これで攻略になっているのだろうか。神様に対しては一発殴っただけだしな。


「え、え!? えーーーーーーーっ!?!?!? どこですかここは!」


 お、漸く神様が目を覚ましたようだ。一発殴っただけで気絶するって神様としてどうなんだ?


「ほら、散々疑ってたけど、綺麗になっただろ? もう俺は用がないから帰ってもいいか?」


 そう言って俺が背を向け立ち去ろうとすると、ガシッと腕を掴まれた。とても非力そうなのにというか非力だったのに、どっからこの力が生まれているのだろうか。


「ちょっと待ってください。せめてもうちょっとだけ綺麗にしてくださいませんか?」


 それはゴミの神様の心からのお願いだった。まあ、別に俺が汗水流して綺麗にするわけじゃないから別にしてやってもいいんだが……


「じゃあ、交換条件だ。俺はゴミの中でこれを拾ったんだが、これについての情報を何か知らないか? 研磨の方法でも構わない」


「あ、そ、それは、たしかだいぶ前に誰かがここに捨てて行ったもの……かなり前というか僕がここに来た時にはもうあった、と思う。だから知らない、何も分からない」


「ふーん、そうか。本当に何も知らないんだな?」


「し、知らない」


 まあ、今の発言からでも分かることはある。まずはゴミの神様よりも年齢が上の神様であるということ、そして、この世界はゴミの神様が作ったものではないということだ。つまり、元々ゴミ捨て場か掃き溜めか何かで、この剣もここに捨てられていた。


 そこにコイツがってことだろう。


 となると、かなり年齢の高い神様が持ち主だったかもしれない。だって、ゴミ捨て場のようなものがあるってことは、今みたいに神様毎に世界が別れる前ってことではなかろうか。つまりは、その頃からいる初期メンである可能性は大いにある。


 つまりはそこら辺を狙って……


 俺が考え事をしていると、気づけばエントランスに帰還していた。どうやらこれで攻略のようだ。









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ゴミにロマン感じる方ってもしかして少ないのかな??


あ、暗号を近況ノートに投稿したから良かったら見てみてー!

ヒントは(見たくない人は今のうちにGO)





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