第1166話 海龍の海流


 俺の渾身の爆弾を海底神殿上部に食らわせた所、なんとそこには傷一つ付いていなかった。


 え、なんで? 確か前来た時はこれで入れたよな? もしかして対策された?


 それか俺のボムボムプディングの威力が足りなかったのか? お手製の爆弾で威力、範囲共に申し分ない性能になっているはずなんだが……


 その後も、いくら爆弾を試した所で以前のように穴が開くことはなかった。これは完全に対策されてしまっている。


 んーどうしたものかなー。今更正面から入るのはなんか負けた気がするし、そもそも正面がどこかも分かっていない。


 そもそも何で壊れないんだろうか。もしかして破壊不能オブジェクトにでもなったか? 前回無理矢理入っちゃったから無くはないが、そんなことあるか? 俺くらいだろここから入ろうとする奴なんて。


 まあいいや。天井から入れないんだったら他のところから入ればいいだけだ。流石に壁が全部破壊不能だとは考えにくいしな。


 海馬の献身的な捜索により、天井からだいぶ下の方になんとか入り込めそうな隙間を発見することに成功した。


 俺はもちろん、アイスも余裕で通り抜けられるのだが……


『なあ、お前ここで待機でもいいか?』


 海馬はどう考えても通り抜けることができない。頭一つだけならまだしも、それが九個ある上、クソデカ胴体なんて入れる訳がない。頑張って探してくれたのに、非常に残念だ。


『……もう何を言っても無駄なのだろうな。であるならば、帰ったら我を労うのだぞ? 絶対だからなー!』


 そう言って海馬は全速力で深海を浮上し、帰っていった。流石に水中での機動力は凄いな。ちょっとだけ見直した。


 さて、これで俺らは無事海底神殿への侵入に成功した訳だが、


「ん、ちょっと待てよ?」


 これって俺が中に入った状態で召喚すれば……


『よお』


『なぬっ!?』


 普通に海馬も入れるじゃん。これは完全に失念してたなー。そりゃそうだ、何も一緒に入る必要なんてないよな。


『おい、できるなら最初から言わんか。何故、我が無駄に帰らなければならぬ』


『別に帰れとか言ってないし、待機できるか? って聞いただけだし』


『ふん、餓鬼のような言い草しおって』


 そんなことを口で言いつつも、尻尾が振り回されている。素直じゃない奴め、自分も入れて嬉しかったんだな。というか、その尻尾の回転のせいで軽い海流が発生しちゃってるからやめて欲しいんだが。入れたとは言ってもお前の占める体積はかなりデカいんだぞ?


 そんなわけで俺たちはこれで正真正銘、無事侵入に成功したわけだが……


『む、どうやら我らは手厚い歓迎を受けているようだぞ?』




 もしかしたら俺たちはこの入り口へと誘い込まれたのかもしれない。目の前には凶器を携えた二足歩行のカメがこちらを力強く睨んでいた。









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明日は京都に行くことになりました。しかも他人の用事で。

意味が分かりませんが、折角なら楽しもうと思います、何かおすすめの何かはありますか?

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