第1135話 良い参謀


「奇跡、ですかー」


 俺は今、魔王城の自室でメガネくんと向かい合っていた。今回は非常に難しい問題であるから、こうして直接会って話を聞こうと思ったのだ。


 だが、やはりメガネくんでもこの問題は直ぐに答えがでるものではなかったようだ。


「奇跡の定義が現実のものとは確実に異なってきますからね……」


「そうだよなー」


「「…………」」


 そこで珍しく二人の議論が膠着してしまった。今までは基本的にどんな疑問や質問であってもメガネくんは即答してくれたし、仮に即答できないものがあったとしても、しっかり調べてくれて次回以降には最適解を持ってきてくれた。


 ただ、今回の奇跡に関してはその解決の糸口すら見えないような状態で行き詰まってしまった。


「よし! 一旦気分転換に体動かしにでも行くか!」


「え?」


「そういえば二人でモンスターを狩ったことって無かったよな?」


「は、はい……」


 メガネくんはとても戸惑っているようだったが、俺としてはこの気まずい雰囲気が耐えられなかったし、何より、メガネくんに申し訳ないと思わせたく無かった。


 いつもが凄すぎるだけなんだ。今回


「よし、そうと決まったら早速行こう! 何か欲しい素材かなんかある?」


「と、特には……」


「じゃあ、儀式の生贄用だな! あ、そうだメガネくんってギルドに入ってたりする?」


「い、一応冒険者ギルドには入っておりますが、ランクは全然上げておりませんね……」


「よし、じゃあ素材集めのついでにランクも上げちゃおう! Sランクになれば色々とできることも増えるし、情報収集もしやすくなると思う!」


「よ、よろしいのですか……?」


 と、メガネくんは俺が提案した時から困惑気味だったっが、俺が押し切ってメガネくんを外に連れ出し、狩場へと連れて行った。


「……あれ、嫌ではないよね??」


「はい! 勿論でございます!」


 ハーゲンの背中の上にいる時、メガネくんに聞いてみたのだが、そう答えられてしまった。そりゃそう答えるしかないよな。んー上司というのは難しいな。


 狩場へと到着すると、どのような戦い方をするのか気になったから、一度メガネくんに一人で戦わせてみた。すると、変幻自在の身体を使って敵の懐に潜り込み、致死の一撃を食らわせるという、ウチで言うとアスカトルに近いような戦い方をしていた。


 もうちょっと戦闘力があった方がいいのか、このくらいで十分なのか、それに対してメガネくんはどう思っているのか、そんなことを考えながら狩りをしていると、結論が出る前にメガネくんのランクがSに上がってしまった。


 んー、奇跡も部下も分からないことだらけだなぁー。










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お久しぶりです。ちょっと私にアドバイスください。なんでもいいので()

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