第989話 神官と司祭


『神への挑戦(1)をクリアしました。神への挑戦(2)が開始されます』


 狂った軍勢を見届けると唐突にこのアナウンスが俺の脳内に響いた。もしかしたら天の声さんもアイツらに対して引いていたのかもしれないな。


 クエストを確認してみると、


▪︎神への挑戦(1)

・信者を作る(120/100)

・教会を建てる(1/1)


となっていた。おいおい俺が教会を作っている間にあの神官は百二十人もの信者を集めたのか? これはもはや才能だろ。なんか俺も洗脳されそうだから近づくのやめとこうかな。


 しかも教会作ったのも俺じゃなくてメガネくんだし、俺何にもしてねーじゃん。いや、もしかしたら案外神ってこんな風に祀りあげられるものなのかもしれない。


 そしてその下には新たなクエストが出現していた。当然それは神への挑戦(2)なのだが……


▪︎神への挑戦(2)

・信者を作る(120/500)

・儀式を行う(0/5)

・司祭を選定する(0/1)


 となっていた。これはなかなか大変そうになってきたな。だが無理ゲーというわけでもなさそうだ。


 司祭に関してはもういるから大丈夫だとして、儀式は……適当に信者をまとめて強制進化させて儀式と言い張ればなんとかなるだろう。後は信者だが、これも神官に任せとけばどうにかなるだろう。


 もう百二十人も信者がいるんだからそいつらに適当に宣伝させれば良いはずだ。


 それにしても神になるには後どれくらいかかるのだろうか。別に急いではないのだが単純に気になるな。あと、神になることでどのような恩恵が得られるのか、もだ。


 何も無いとは思いたくないが、何を得られるのか想像もつかないからなー。


「あ、そうだ」


 そういえば神に近い存在とは前に会った事あるよな? そいつらの所に行って改めて神について教えてもらおう。そうすれば神の凄さや強さが分かるかもしれないし、俺が神になった時の参考になるだろう。


 というわけで、


『イエナイ、ミエナイ、キコエナイ! 堕天使ズ!』


 俺は堕天使たちを召喚した。やっぱり神と言ったら天使、天使と言ったら堕天使ズだろう。まあもうもはや天使とは到底呼べないような見た目にはなっているのだが。


『ちょっと神様や天使に会いたくなってな。空中都市に案内してくれ。お前たちも元同僚に強くなったことを示す良い機会だろ?』


『かしこ』

『まり』

『ました』


 あれ、お前らってそういうキャラだっけ? 普通に聞き取りづらいからやめて欲しいんだけど。


『ちょっと普通に喋ってもらう事ってできるか?』


『『『可能です』』』


 いや、それもちょっと違うんだよなー。でも誰か一人をリーダーにするのもなんだか違うし……


 そんな煩悩を頭に抱えながら堕天使たちの先導のもと俺は空へと駆け出した。

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