第708話 魔王スキルを選ぶ
「の、呪い!?」
「あぁ、呪いだね。呪いの魔力をしてる人なんか滅多にみないが、これは完全なる呪いの魔力だね。私もここ二百年くらいは見てないね」
ソ、ソーデスカ。
ってか、なんで呪いのなんだよ。それはこのゲームにログインした時から決まってるIDみたいなもんか?
いやいやいや、そんな生まれた時から定められてるものじゃないだろ、折角のゲームなんだし、自分で好きな属性くらい選ばせて欲しい。
ん? もしかしすると、この魔力の属性って、後天的に得られるものなのか?
それなら、俺の魔力が呪いってのも頷ける。だって、俺の無限魔力は、呪いを使う敵の心臓から手に入れたものだからな。
それなら、もしかすると、あの属性も少しくらいは混じっているかもしれない。
「もっと詳しく見てくれないか? ほんの少しだけ俺の魔力に爆破属性とか入ってたりしないか?」
「え? 爆破属性だって? そんな、私が見間違えるわけ……ほんとだ、ほんの少しだけど入ってるね、どうして分かったんだい?」
よし、コレで属性は後から決まっていく、という仮説がほぼほぼ正しいことが証明されたな。俺は爆虐魔法を一番使っているからな。
無限魔力で呪いが一番強かったとしても、俺が爆破属性を使っているという事実も消えないからな。
「ところで、オススメのスキルは何になるんですかね? 選んでくださるんでしたよね?」
「あぁ、そうだったそうだった。そうだね、呪いが一番強いとなれば、ス・カース、
「いや、それはやめてください。別の物がいいです」
今、非常によろしくない名前が聞こえてきそうな予感がした。俺の予想が当たっているならば、あれだけは嫌だ。俺が言えたもんじゃないが、ネーミングセンスがダサすぎるのだ。
「そうかい、ならば、鬼火、はどうかい? 呪いの属性と炎の属性を両方兼ね備えているんだよ。そこまで威力が強いってわけじゃないが、アンタの力があればいいとこまで行くと思うよ」
おぉ、鬼火か。確かに悪くはないな。爆炎と魔王のちょうど真ん中の感じだな。確かに弱そうな、そこまで強くなさそうな雰囲気だが、それを俺がどこまで開花してあげるかだろうな。
弘法筆を選ばず、という言葉もあるくらいだ。つまり、魔王スキルを選ばすといったところか。何でも使いこなせての魔王、かっこいいじゃないか。
「じゃあこれをください」
「毎度! お会計は三百万だね」
「三百まん!?」
「なんだい、払えないのかい? ならこの話はなしだよ、なし!」
おいおいおい、このババア急に態度が豹変しやがったぞ? ギリギリ手持ちがあるからよかったものの、本当になかったらどうなってたんだよ。
にしても、最近スキル業界は厳しいのか? そんなに値段あげないといけないのだろうか??
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