第688話 出張魔王軍
ハーゲンに乗って案内通りに行くと、そこは高い山の上だった。生えている木もほとんどまばらになり、いよいよ木なんて見えなくなってきた時、その巣は現れた。
「うわ、でっか」
それは巣というよりはむしろお城という感じだった。巣といえば木の上にあるイメージだが、これは完全に地べたから聳え立っている。君臨していると言ってもいいほどだ。
細長い六角形の何かでその巣は構成されており、かなり頑丈そうに見える。普通に殴ったり斬ったりしても攻撃は入らなそうだ。ふむ、どこから攻めていこうか。
……よし、ブッ飛ばすか。
「【爆虐魔法】、クラスターボム」
クラスターボムっていうのは大きな爆弾の中に小さな爆弾が搭載されている奴だな。広範囲を爆撃するのに向いている。というわけで、
ッボーーン!! ダダダダダッ!
あ、でもこれで全滅させたら追加報酬もらえないのか、あれ、やっちゃった? いつものようにとりあえず魔法ブッパはまずかったか?
と、思っていたが杞憂だったようだ。
ブーン!
巣の方から何やらみたこともないモンスターがいっぱい飛んで出てきた。こいつらがビーホークなのだろう。
って、あれ、数多くないか? え、ちょっ、想像の十倍くらい多いんだが?
一体一体の大きさはそこまでなんだが、群れることでまるで巨大なモンスターのようにすら見える。あ、これアカン奴やん。
『ハーゲン、アシュラ、ペレ、頼む敵を倒せるだけ倒すんだ!』
一番強いハーゲン、対多数に向いているアシュラ、虫にとても効きそうなマグマ持ちのペレ、とりあえずはこの三体+俺で対処する。さあ、かかってこいよ!
❇︎
やばい、もう何時間経過しているだろうか? とにかく数が多い。敵は強くないのにその数の多さにこちらのスタミナが全然足りないのだ。やばい、ちょっと休憩したい。
もう、奥の手を使うしかないようだ。
『全員集合! ちょ、お前らこいつら倒して』
『『『了解っ!』』』
あ、全員はやりすぎたか? でもまあ、大丈夫だろう。
ゾムの繁殖、デトの毒、ペレの炎に、アイスの氷、海馬のブレス、アスカトルの糸、アシュラの剣、スカルボーンの拳、そしてハーゲンの黒雷。うん、こりゃやりすぎだな。
瞬く間にビーホークは数を減らし、気づけば敵は全滅していた。
あれ、俺完全に必要なかったよな、これ。
まあ、いつものことか、魔王様はお飾りだもんな。よし、とりあえず死体を回収してギルドに戻って金を受け取りますか!
そうして巣に近づこうとした時だった。
ブゥウウーーーン!
先ほどよりも重厚的な音が響き渡った。どうやらまだ戦いは終わっていなかったらしい。
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レビューをいただきました!!
本当にやる気が爆増しますので、嬉しいです!
これからも頑張りますので、応援よりしくお願いします!!
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