第678話 覚醒和熱情的信徒
結果はまさかの大金星だった。
でも、どちらかというと魔王様の手のひらの上、って感じだったな。
僕から提案したくせに、魔王様からより良い案、具体的な案を提示された。
前々から考えていたのか? というくらいの内容で、やはり頭が上がらないと思った。
もし前から考えていたのであれば、僕がいうことなんか全て分かっていた上で話に乗ってくれて僕を採用していただいたわけだ。
そうなるととてつもなく器の広いお方だってことになる。
逆にあれだけのことをその場で思いついたのならば、なんて頭の回転が速いことだろうか。
当意即妙とは当にこのことかと言わんばかりの頭の回り具合だ。これはこれで凄すぎる。僕なんてこれを思いつくまでにどれだけ時間がかかったことか……
「ゴホン!」
よし、切り替えよう! 魔王様が凄いなんてずーっと前から知ってたことだ。そんなことよりもどうやって魔王様に役立てるのかを考えなくちゃ。
どんな情報がいるのか、魔王様が今現在欲しているものだけでなく、今後必要になってくるものまで予測して、行動していく。
また、魔王様としてだけでなく、単純なプレイヤー、一冒険者として活動することを頭に入れながら、フィールド情報、モンスター情報なども網羅していく。
こうなってくると、情報屋クランでの出世が第一だな、今まではどこか気合が入っていなかくて漠然と仕事をこなしてた感じだけど、ここからは違う。
魔王様の役に立つ、暗躍者として頑張るんだ!
❇︎
とは言っても急に僕の能力と役職が上がるわけじゃない。地道にコツコツと根を生やしていくんだ。まるで雪だるまのように気づいたら巨大になっているように、だ。
具体的には、情報屋クランの中でも活動しつつ、自分だけの情報網の拡大だ。これは地道に少しずつ人間関係を広げて深めていくことでしかえられないだろう。
だが、相手にメリットさえ提示すれば必ず動いてくれる。魔王様ですらそうだったんだ。今の僕なら自信が持てる。必ず、成功させられる!
後は、掲示板やSNSも要チェックだな。魔王様が逐一いろんなものを見ているとは考えづらいからね。しかもここは匿名性を生かした普段の活動とはまた違った活動ができるかもしれない。
できることは沢山ある。一つ一つ焦らずでも着実にことを進める。魔王様の力にこの僕がなるんだ。僕ならできる!
これからの仕事に期待、魔王様は何度もそうおっしゃってくれた。つまりはそういうことだ。これからの僕の頑張り次第なんだ。せっかく手に入れたこの席、誰にも渡さない。絶対に離さない!
「はい、要件をお伺い致します!」
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