第638話 危うく
レビューをいただきました!!
ありがとうございます!!
夜、通知を見返している時に、レビューをもらっていると、身に染みるように喜美、とても励みになってまた明日も頑張ろうと思えます!
これからもどうぞこの拙作をよろしくお願いしますm(_ _)m
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「え、もうこんな時間!?」
俺はカレンダー、正確にはイベントまであと何日、という表記を見て、愕然としていた。
そもそも、この従魔たちとの模擬戦は天魔大戦に向けたものであった。それなのに、模擬戦そのものが楽しくなっちゃってて天魔大戦のことを正直忘れていた。
すると、なんと天魔大戦まで残り一週間を切っているというのだ。まあ、元々一ヶ月程度しか時間が与えられていなかったから、当然っちゃ当然なのかもしれないが、心の準備というものが、な?
だって、あの天使に歯向かうんだぞ? それも全面的に。
絶対、トップの強そうな奴も出張ってきますよ、ってことだろ? それにプレイヤーも参加ときた。
これがまたややこしい。大半が天使側につくんだろうが、そうなってくると相手の戦術が大きく変わってくると思われる。プレイヤーは肉壁として、天使たちは遠距離攻撃を悠々と放ってくる、みたいなことも全然あり得るわけだ。
そうなってくると、俺にも肉壁というプレイヤーが欲しいところだが、恐らく俺の所にきているプレイヤーは少ないだろうなー。魔王に与するってだけで他のプレイヤー達から白い目でみられそうだもんな。
『ご、ご主人様! どうやら魔王城の前にたくさんの人間が押し寄せているようです! しかも、我々は戦う気はない、そう言っております!』
俺が一人玉座のまで頭を悩ませていると、堕天使の一人、確かイエナイがそう報告してきた。ノックもせずに、だ。個人的にはノックは絶対にしてほしいところなんだが、それほど重要な情報なら……
「え?」
魔王城に人間が押し寄せている? しかも戦う気はない? え、そんなの絶対にプレイヤーに決まってるだろ。
え、マジで? 魔王様に味方しちゃっていいの?
『ご主人様、海馬様の報告によりますと、三日前からいるものも彼らの中には一部存在するようでして……』
「え!?」
三日前? なんだよそれ、新作のゲーム発売前じゃないんだからよ、そんなことするか普通? 今の時代、わざわざ店先で待つなんてこともしないのに、魔王城の前にくるとは……
しかも人類の敵であるこの魔王にだよ? これはもう手厚く迎え入れるしかないな。魔王にこんなに人望があるとはなー、いやー参った参った。
ん、いや待てよ? コイツらはただ単に俺の味方のフリをして情報を仕入れ、あわよくばその場でサクッと、みたいなことをしれくるかもしれないよな?
それに、魔王城の中身を見られるだけでも敵プレイヤーからすれば大きいことだろうし。うん、これは注意しないといけない。危うく浮かれてしまうとこだった。ちゃんと魔王の威厳を保って、厳かに接しよう。
それと、そのプレイヤーたちを直接この謁見の間に転移させたいんだけど、できないかな? 流石に敷地外だったら厳しいかな?
あ、できる? 今回に限りの特別仕様? ありがたやありがたや、運営様には感謝しかないなこれは。もう何から何まで至れり尽せりじゃないか。
ん、いや待てよ? この天魔大戦を用意したのも運営だよな? それに俺を魔王に仕立て上げたのも。
「……」
危うく浮かれてしまうところだった。気を抜かずに運営の意図とかもちゃんと考えながら、操られないように、俺は俺の意思で持って行動するんだ。
よし、まずはプレイヤーたちの招集だな。
「転移!!」
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