第624話 性別は教えない
「ふぅー、コレで今日は三人目かー」
うん、やっぱりPKはいいね! 経験値が段違いに入ってくる。もう、そこらへんの魔物を倒そうと思うことすらないよねー。
こんなに経験値をくれるなんて、運営さんもじゃんじゃんPKしてくれっていってるよーなもんでしょ!
普通なら多少なりとも少なくなるはずだもんね。それがないってことは運営さんお墨付きのレベリング方法ってこと、間違いなし!
そう意味ではほんとこのゲームは僕にピッタリだ!
最近は色んなイベントが開催されてるみたいだけど、僕はそーゆーのに全く興味はない。
ただただ、人を斬りたい殺したい、それだけなんだ!
斬るために強くなりたいし、殺すために強くなりたいんだ。
これを現実でするのは不味いし、別にその人の人生を終了させたくてやってるわけじゃない。
ただ、斬ったり殺したりってのが病みつきになっちゃったんだよねー。現実世界では全くそんな気にならないのに、ほんと変な話。
今日も今日とて斬りまくるぞー!
❇︎
僕のスタイルは基本的に奇襲、暗殺が多い。正々堂々ってのも悪くないけど、この一方的な感じがたまんないんだよねー。
ザシュン
はい、コレで四人目ー! 経験値ウマウマー!
僕はこのゲームが始まって以来ずーっとプレイヤーキラーとして活動してきたから、ステータスは結構高い。トップクラスと言ってもいいんじゃないかな?
だから視界に入った人は基本的によゆーで倒せちゃうんだよね。最近は手こずることもなくなってきて、楽になった反面、少し退屈になってきた気もするんだよねー。
ま、それでも斬るのが楽しすぎてやめられないだけどね!
よし、次行くぞー!
「ん、」
新たなプレイヤー発見! 対象は一人、まったく周囲の警戒もしていない様子!
装備は強そう、というより格好良さ重視かな? まあまあだけど、この僕にかかればこんなの朝飯まー
キンッ
「え?」
僕はすぐに隠遁を発動して身を隠した。
今、確実に首筋に剣を当てたよね? 当てた上でキンって弾かれたの? ……どゆこと?
そんなにあの人VIT高いの?
いやいやいや、どれだけ高くても僕のSTRは抜けないでしょ。それに、生身で刃物に勝てる道理がないよね? なんで鮮血が見えないんだ?
でも、この状況は不味い。僕の奇襲スタイルで初撃が防がれるとかなりめんどくさいんだよね。
しかも、何故か刃が通らないし。
正直にいうと、ここは逃げるべきなんだと思う。相手の情報が何もないしね、勝てる可能性もかなり低いと思う。
でも、ここで逃げるなんて選択肢は取りたくない。一度僕の獲物と決めたんだ、必ず狩る。
そう思い、再び獲物のいた場所に目をやると、そこにさっきの男はいなかった。
「え?」
「君、何してるんだい?」
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