第584話 旅立ち(別視点)


久しぶりすぎて記憶にないかもしれませんが、この前の話が540話、その前が522話です。

あらすじをざっくり言うと、ドラケ君が臨界点を迎えて強くなりました。


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「おいおい、本当に一人で行くのかよ、ドラケ! 最近、お前は結構強くなってるし、お前がいなきゃ戦力ダウンもいいとこだぜ?」


「あぁ、もう決めたんだ。それに少しの間だけだ。また戻ってくるし、お前らが魔王城に乗り込む時までには俺も仕上げて戻ってくるさ」


 俺はこのクランを抜けることを決意した。名前がなんなのかすら知らないが、このグループは負け組集団だと思っている。全員負けたやつで構成されているからな。


 まあ、そりゃ生きてりゃ誰かに負けることはあるだろうが、そいつらがより合わさったところで傷の舐め合いにしかならねぇ。


 俺はもっと尖らなきゃいけねーんだ。せっかく臨界点を迎えて、変われそうな感じがしてるんだ。この機会を逃したくはねぇ。


「わあーったよ。絶対戻ってこいよな」


「おう、じゃあまたな」


 そうやって俺はあのイベント終了後ずっと共にしてきた仲間の元から離れることになった。必ず強くなって戻ってくることを決意して。


 魔王なんて大層なものも出てきたんだ。アイツなんかには負けられねーよな。魔王を最初に倒すのは絶対にこの俺だ。


 ❇︎


 だが、強くなるとは言っても、まずは現状の確認からだな。臨界点なんて訳のわからないものが出てきたんだ。しっかりと調べておいて損はない。


 まずは手に入れた称号だな。これに問題の臨界点という単語が出てきているのだがとりあえず今は無視して他のことを確認しよう。


 効果は主に二つだな。一つが九死一生というスキルの取得で、もう一つが一定の確率で死を免れるというものだ。


 後者は非常にわかりやすいな。俺が死ににくくなるっていうだけだ。正直、これはかなりありがたい。これで格上に挑みやすくなるし、勝つ可能性もグッと増す。


 そして前者のスキルなんだが、効果はこんな感じだった。


【九死一生】‥九回HPが全損すると、その次にHPが全損した場合にHPを全回復する。


 内容は非常にシンプルだが、その反面、効果はかなり強力なものだった。ただでさえ死ににくくなったのに、このスキルのおかげで死んでもそれが次に繋がるようになったのだ。


 これは俺に強くなれと神から、いや、運営から言われているのではなかろうか。


 よし、やるしかねーな。まずはギルドに行ってめちゃくちゃ強い、今までの俺じゃ太刀打ちできそうもなかったモンスターに挑んでみるとするか。


 ❇︎


 ギルドに到着した俺は、ちょうど良い依頼を見つけることができた。


「エンペラーオークの討伐」


 これだ、これしかねー。これで俺ももっと強くなれる。待ってろよ、アイツ、必ず俺が超えて、ぶちのめしてやるからな。




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死にたがる主人公に対して、全く死にたがらない登場人物の完成……((

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