第414話 たらい回し


 従魔全員の確認が終わったところで、これからのことを決めたいのだが、一旦悪魔からは離れようと思う。まあ、理由は飽きたのだ、なんか性格もクズが多いし、そんなに気持ちの良い戦いでも、連戦したい相手たちでもない。


 そんな訳で何か別のことがしたいのだが、そうだな、従魔たちが活躍できるようなところに行きたいな。それこそダンジョンみたいな所に行ってみたい。


 ダンジョンといえば俺の中では帰らずの塔のイメージしかないが、もっと一般的な普通のプレイヤーが足繁く通うようなそんなダンジョンが見てみたい。まあ、そんなものがあるのかも分からないが、とりあえず情報収集からだな。



❇︎



 そんな訳でとりあえず暗殺ギルドに来た。来て思ったのだが、ダンジョンじゃなくて依頼を従魔にこなしてもらうのもありかもな。それだと相手をこちらで選べるし無駄な戦いも避けられるしな。


 あれ? 依頼の方が効率よくね? まあ、俺がダンジョンに行きたくなってしまったからとりあえず行くのは確定事項なんだがな。


 よし、受付の人に聞いてみよう。


「すみません、ここら辺にいい感じのダンジョンってありませんか?」


「あぁん? ダンジョン? ダンジョンかー、お前さんに帰らずの塔を勧めるわけにはいかねーしな。アソコは生半可な気持ちで行く場所じゃねーんだ。まあ、俺は本気の覚悟でも止めるがな。ワッハッハー!」


 え、俺生半可どころかコンビニ行くくらいの気持ちで行ったんだがそれって不味かったのか? ってかこの人何がそんなに面白いんだ?


「おぉ、すまんすまんダンジョンだったよな。王都の近くはあんまりねーんだよな。それこそ第三や第四、もしかしたら第二くらいまでには行った方がいいかもしれねぇな。すまんな、まともなこと言えなくて、まあ、それ以外のことはなんでも聞いてくれ! ワッハッハー!」


 だから何が面白いんだ? この受付の人は。多分、言うことがなくて困っててそれで場をつなぐ為に言ったんだろうな。言うことがないならないで良かったのにな。まあ、前の街に戻ってそこのギルドの人に聞いてみよう。



❇︎



 第四の街に到着した。安定のハーゲンに乗ってきたのだが、なんか速くなってる気がした。他の従魔を見て触発されたのか? みんな強制進化してる中、アイスとハーゲンはそれをしなかったからな。まあ、アイスは別だが。


 だからこそ、強くなろうとしているのかもな。まあ、いい兆候だ。これからも是非鍛錬に励んで欲しい。


 そして第四の街のギルドに到着したんだが、そこでは君のレベルに合うのは第二か第三の街くらいだよって言われました。ギルドカード見せようかとも思ったが、本当にそうなのかもしれないので、とりあえず行ってみる事にします。


 でもまあ、明らかにアイツ俺を見下してた気がするんだよなー。今度ギルド外であったら、滅茶苦茶に殺して蘇生させよう。




 ……いや、流石に冗談だぞ?

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