第361話 強化計画


「従魔:ポイズニシャンタートル、個体名:デトックスが ヴェノマスタートルに進化しました」


 よし! これで第一段階はクリアだ。次は第二段階はというと、俺の毒に対してはもう耐えられるのであれば、もっと強い毒にすればいいよね?


 ってなわけで、より強い毒モンスターを見つけてデトックスに食べさせよう! ちょうどいいことに俺は毒殺料理人だから、相手の体の構造が分かるのだ。つまり、毒袋を直接ゲットできるってことなんだよな。


 よし、早速いくか。今後、この蠱毒の間を使うかはわからないが、まあ、埋めてしまっていいだろう。水に浸かってもまた排水すればいいだけだからな。


 地上に戻ってきた俺は早速毒図鑑を開く。蠱毒に使ったモンスターを除くとなると、意外とモンスターが少なく感じるな。それこそ弱そうなモンスターか、超強そうなモンスターしかいない。いつかはそいつらも超えたいがまだまだ先の話だろうな。


「あ」


 こいつは丁度良いかもしれない。その名もマーダラービー、斑模様の蜂だ。その禍々しい見た目に見合うだけの強力な毒を有しており、この蜂に刺されると軽く死ねるそうだ。


 そうだった。翅がついてて飛べるやつはなんか陸モンスターに一方的にやれそうだから除外してたんだった。それを俺が倒して、下まで持ってくればいいな。よし、まずはこいつからにしよう。生息域は第四の街らしい。



「あ、【天駆】」


 見つけたのはいいが、なんか逃げられそうだったから、急いでスキルを発動して捕まえた。翅を押さえて捕まえているのだが、俺に対して滅茶苦茶針を刺そうとしてくる。俺はカメまで取っておきたいから、頑張って避けているのだが、押さえているためなかなか難しい。


「あーっ! もういいや」


 俺は蜂の下腹部を持ってそこから切断した。正直ここさえあればいいのだ。毒針及び毒袋がここにあるのは分かっている。蜂の体は無残にも落ちていったが気にしていられない。さっさとこれを持っていかなければ。


『おーい、デトックス! この毒はいけそうか? まあ、最悪いけなかったら回復させるわ!』


 そういって俺は下降中に呼びかけてそのままデトックスの元に針及び蜂の下腹部を投下した。それを綺麗にキャッチしたデトックスは、


『……っ! お、美味しいでございます。ご主人様のものよりも少し強めではありますがまだまだいける範囲ではございます……よ』


 かなり苦々しい表情をしているのだが本当に大丈夫なのだろうか。まるで苦虫を噛み潰したような顔をしているぞ? でもまあ、この蜂の毒の強さはいい感じっぽいから、たらふく食わせてやるか!


 そこから俺は空を駆け巡り蜂という蜂をかなり倒してやった。だが、蜂という生命体は人間の活動に大きく関与しているらしいからな。絶滅まではしない方がいいだろう。蜂がいなくなると、ここの生態系が大変なことになるかもしれないからな。


 それに、蜂蜜が食べたい。

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