第330話 実践編
早速実践編だな。まずはモンスターを相手にやってみるか。どこかそこら辺にモンスターいねーかな? ってここは始まりの森だから敵も弱いよな。俺もそこそこ強くなったんだし、取り敢えず今いけるとこまで行ってみるか。もちろん、水操作縛りでだな。
俺が到達しているのが、あの塔のあった第四の街のはずだ。なんかいろいろごちゃついてたが、神殿もそこにあった、はずだ。そこでなんやかんやあったはずだが、そういえばあの街のギルドには顔出ししていないな。
まあ、面倒臭いからいいか。他にもいろいろやるべきことやできることもあるだろうけど、ちょっとここは心機一転、第五の街を目指してみよう。五をいう数字はキリがいいし、新たな出発にはもってこいだろうからな。
それに、ある程度相手のモンスターの強さが保証されていないと、水操作が使えるかどうかが結局分かんないからな。というわけで行くか。
「ハーーーゲーーン!!」
なんかこうして呼ぶのも久しぶりだな。いつから空路としてのハーゲンが目立たなくなったのだろうか。まあ、その分強くなったということでよしとしよう。
え? まともに攻略しないのかって? するわけないだろう面倒臭い。そんなのは到着してから考えるもんだろ。何をつく前から楽しもうっていうんだ。まずは街の雰囲気を味わってからだぞ?
それに水操作の実践もまだなんだから。そんなに行き急ぐことはないだろう。
『ご主人様ー、もう出発していいっすかー?』
『おう、すまんすまん。出発してくれ』
はい到着。最近のハーゲンのスピードは常軌を逸しすぎているよな? 体感時間一分もなかったくらいだぞ? どこからその突進力が生まれているのか。俺は俺で慣性にやられないように、ハーゲンにぴったりとしがみ付いているんだぞ?
というわけで第五の街到着だ。始まりの街から始まって、もう第五の街とはな、何か感慨深いものがあるよな。この街は多文化社会なのだろうか、人間だけじゃなくてそれこそエルフっぽい人たちだったり、ドワーフっぽい人だったり、他にも獣人のような人たちもちらほら見受けられる。これだけいろんな人種が集まっていれば、成熟した文化が生まれそうだな。
「よし、」
取り敢えず、モンスターを倒しに行こう。観光はその後だ。やるべきことは早めに終わらせたい主義なもんでね、一度決めたことはやっておかないとなんか心にしこりができてしまうんだよな。
お、早速発見した。倒す目標は猪だ。だがひとえに猪と言っても初心者用の猪とはわけが違う。体は大きく、牙? も長い始まりの街でみたら確実にボスかそれ以上だと分かってしまう、そんな敵だ。
だが、そんな敵ぐらいがちょうど求めていた相手の強さなんだよな。倒し方はもう決めている。サクッと倒してみせよう。
「【隠遁】」
そう、これで音もなく忍び寄り、背後に回って顔面を塞いでターンエンドだ。これほどスマートな方法も珍しいだろう。
背後に回っても未だ気づかれていない。流石隠遁だな。これでトドメだ!
「【水操作】」
「……」
あ、水操作って別に水を自前で用意してくれるんじゃなくて、あくまでも水を操作するだけだったな。俺はただ手のひらを敵の顔の前にかざしただけになってしまった。
あそこが湖だから少し勘違いしてたぜ。
「ブフォオオオ!!」
はい、ごめんなさい。
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