第238話 二刀流?
お、スキルをゲットしたようだ。このスキルは相手の攻撃を弾くと元の体勢に戻れるのか、やってみなきゃ分からないが、体を勝手に操作されるのは少し気持ち悪くなりそうだな。
ブゥン
おっと、危なかった。まだ戦闘の途中だったな。早速スキルを発動してみるか。相手は未だに斧と鎖をブンブン振り回しているからな。体力だけはあるようだな、脳筋って体力だけは多い印象だがその通りで面白い。
スキルを使うと、相手の攻撃を弾いた後自然な動作でニュートラルな姿勢に戻る。具体的に言うと最初の構えである、右下段の構えに移行されたのだ。
自然な動作で戻るためそこまで体に違和感はないのだが、そのスピードが速いためほぼ一瞬でその体勢に移れる。これはかなり有効かもしれない。すぐに元の体勢に戻れるため、攻撃を弾いた後の無駄な余韻がなくなり、すぐに反撃することが出来る。これは対人、対モンスターに関わらず使えるスキルなのではないだろうか。
見た目でこいつを判断してしまっていたが、意外に有用だったんだなチェーン斧野郎、本当に人は見た目によらないんだな、感謝するぞ。
グサっ
感謝の念が強すぎたあまり脳天を一突きににしてしまった。まあ、苦しませずに殺してあげたのだからいいだろう。感謝の表し方も人それぞれなのだ。
よし、この調子で進んで行こう。このままではいつ終わるか分からないが、対人戦の修行と考えるとこれ以上ないほど良い。色々な武器を使ってくれるし、相手も強くはないが雑魚すぎず、そこそこ戦ってくれる。それに、今のところの傾向でいうと徐々に強くなっていってる気がするため、いずれはもっと強い敵ともやれるだろう。
まあ、まだ二人しか戦っておらず、一人目よりも二人目の方が強かった、というだけなんだがな。
そんな中ずっと進んでいたのだが、漸く新たな敵が出現した。今度の敵はなんとチェーン二刀流だ。
え、ここはチェーン道場か何かか? チェーンを持たないと入れなくて、チェーンの扱い方とかを教えてくれるのだろうか。まあ、そんな所俺は死んでも行きたくはないな。
今回はまだ隠遁を解いていないため、バレてはいない。チェーン二刀流の阿呆面が窺える。んー今度はどう戦おうか、奇襲しても良いのだが、対人戦を鍛えようとするのならば正々堂々戦いたいからな。
よし、堂々と姿を見せるか怪しまれたら俺と勝負しろ! っていう如何にもな脳筋台詞を放って、しっかり勝負しよう。チェーン二刀流との戦闘なんてそうそう経験出来るものではないからな。経験が大事なのだ。
一旦、曲がり角まで戻って最初は味方感を出しまくって行く。初手で急に何もない所から俺が出現してもそれはそれで正々堂々じゃないからな、俺が相手の立場なら普通にビビるし本調子も出ないかもしれない。
よし、隠遁を解除した、では早速行くぞ。
意を決して角を曲がる。まるでスパイ映画の主人公のようだ。ドキドキ感が半端じゃない、嘘をつくのとかは苦手ではないのだが、どうしても心が平穏ではなくなる。心臓がバクバクしてしまうのだ。そして、遂に相手の姿が見えると、
「おぉーー! 助かったー、ようやく人が通ったぜ。危なかったもう少しで漏れるところだったぞ。すまん、便所ってどこだ?」
は?
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