第19話 武器
「お主誰の紹介じゃ?」
ん? ここって紹介がないとこれない所なのか? 普通に探してたらここに着いたんだけどな……ここで嘘ついてバレたら大変なことになりそうだし、正直にいうかー。
「いえ、紹介などはなく、武具屋を探していたらたまたま見つけました」
「(ほぅ、この店は紹介無しで辿り着ける場所では無いのだがのぅ。嘘をついてる訳でもなさそうだし、適当にあしらってやるか。)そうかそうかなら適当に見ていくといい」
「あのー武器を作って頂くことは可能ですか?」
「(ん? 作るのか? こんな初心者みたいな格好をして、何を儂に作らせるつもりじゃ? 場合によっちゃ出禁にするが……)できんことはないが、素材によるぞ?」
そ、そうかー。今俺が持ってる素材で一番いいのは、エンペラーオークの素材か。いや、待てよ? そういえばだいぶ前にリヴァイアサンを倒したな。その時の素材はあったかなー、あ、あった。よしこれなら流石に作って貰えるか?
「こんな素材しか無いんですが……大丈夫でしょうか?」
「(なっ! こ、これは!? エンペラーオークにあの幻のリヴァイアサンだと!? こんな代物どっから手に入れてきとんじゃあ!? 儂ですら殆ど見たことすらがないぞ! しかも、希少部位である、キングオークの天角とリヴァイアサンの逆鱗もあるではないか!? こやつ、何者!?)これはこれは素晴らしい素材達ですね、久々に腕が鳴りますな。それでどのような武器をお望みで?」
おっ、急に敬語になって、態度が柔らかくなったな。もしやかなり良い素材だったとか? それで、武器かー特にこれが欲しいってものはないんだよなー。適当に使いやすくていい感じのだったらなんでもいいかな。
「よ、よかったです。そうですね、取り回しが良い武器であればなんでもいいですね。素材の良さを充分に生かしてください!」
「(こやつ、もしや儂の技量を試しておるのか? この素材に一番何が適するのかを見極めさせ、さらに素材の良さをしっかりと出させるようにとは……こやつ只者ではないな。これは本気を出さないといけぬな。)承知いたした。期限はどのくらいにいたしましょう」
期限かー。んーここでトンチンカンなこと言って素人感出したくないしなー。早過ぎず、遅過ぎないくらいがちょうどいいか。
「では一週間後にまた取りにきます」
「(一週間!? これほどの物をたった一週間と申すのか!? いや流石の儂でも流石にちと厳しかろう……延してもらうしかないな。)色々処理等に時間がかかるもんで、一ヶ月はどうでしょう?」
やっべー!流石に一週間は無理な話だったか。まあ、向こうもそんなに気にしてる感じはしないし。適当にオッケーしとこう。
「はい。ではよろしくお願いします」
「(こやつ、普通に返事したが、少し不機嫌になってないか? これはますますやばいな……これで半端なモンだしたら儂の首がなくなりそうじゃな……全身全霊を込めてやらねば……)承知いたしました。では一ヶ月後にまた」
はー。なんとか終わったぜ。なんか掴みどころのない爺さんだったな。最初と最後で印象ががらりと変わったな。もしかして俺のこの装備で足元見られたのか? まあ初期装備のまんまだからな。しゃーない。
あ、これもしかして装備も作ってもらった方が良かったか? ま、いいか。俺に装備はあんまり需要ないしな。武器も一応のためだしこんな物でいいか。
それで、武器は一か月後かー。長いなーどうしよう。ついでにこれからの予定について考えるか。まずはギルドに入ったんだし、依頼? 任務? を受けたいな。そして、新しい死に方も考えないとな。結構死んできたがまだまだ死に方はあるだろう。そのくらいには武器できあがってんのかな?
あとは、俺の目的である。絶景探しもしたいなー。どっかにはあるだろうけど、ここにある! って教えてくれるもんでもないしなー。旅にでも出かけないとな。
旅に出かけるなら、武器ができるまでここら辺でギルドで仕事こなして、死んで、武器受け取って旅に出る! これならいい感じに目的達成できそうだな。これでいこう。
そういうわけで、新しい死に方探すか! どうせ歩いて帰るなら死に戻りで街行った方が俺からしたら得だし、早いし、楽だな。
まだやってない逝き方なんかあるか?
あっ、そういえば、一番有名なあれ、まだやってなくね?
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