第91話 装備補充


 顔合わせのミーティングを終えた後、ミオンはギルドショップへと向かった。

 肝心の護衛対象である行商隊が来るまでまだ時間が在る為、装備の補充ややオートプロテクターの運用訓練を受けるための時間に割り当てた。


「ライセンスの提示を」

「これです」


 ギルドショップに入ると店員が道を塞ぐように立ち、無愛想にライセンスの提示を求める。


「何かお探しで?」


 ミオンのライセンスを確認すると店員は道を譲り、注文を聞く。


「アサルトライフル、オプションでグレネードを」


 ミオンが捜している武器の種類を伝えると、店員は手元のPDAを操作してホログラフでアサルトライフルのカタログを表示する。


「使用目的は? ミュータント狩りか? 警備ロボ狩りか?」

「行商隊の護衛がメインです」

「ならこの三つをお勧めする」


 ミオンが護衛依頼で使うと伝えると店員は手元のPDAを操作して、3つのウィンドを空間に表示してアサルトライフルのスペックを表示する。


「一つ目はラータと言うアサルトライフル。5・56弾使用、ベーシックデザインで大抵のガンアクセサリーは付けられる。寒冷地でも誤動作がない信頼性が売りだ」


 表示されているウィンドの一つが巨大化して、ラータと言うアサルトライフルのスペックが表示される。


「二つ目がAD7。ラータの信頼性そのままコストダウンに成功したモデルだ。デメリットはラータよりガンアクセサリーがつけられないのと装弾数がちょっと少ない」


 二つ目のウィンドが巨大化し、AD7と言うアサルトライフルのスペックが表示される。店員が言うようにラータよりも値段も安く、重量も軽くなっている。


「最後がトリポリと言うアサルトライフルだ。特徴は毎分1600発と言う驚異的な連射性能を持つ。アサルトで弾幕張るならこれ一択だ。問題は連射性のせいでアクセサリーをつけられないので別料金で改造して取り付けるか、別途グレネードランチャーを購入するかだな」


 最後にトリポリと言うアサルトライフルを説明する。スペック表ではツインマガジンを採用することによって驚異的な連射性能を持たせたが、かなりの重量である。


「実際に持って試射とかできますか?」

「……弾代と射撃レーンの使用料は貰うぞ」


 ミオンが試射を希望すると、店員はしばし悩み使用料を提示する。


「AD7が一番使いやすいですね」

「トリポリに至ってはバイポットがないとフルオートすらできなかったな」


 実際に射撃場で試射してミオンは感想を述べる。

 ラータとAD7は普通に扱えたが、トリポリはミオンには重すぎてフルオート時はバイポットで固定しないと反動を抑えきれなかった。


『マスター、オートプロテクターを使えばトリポリのフルオートも片手で反動を抑え込めます』

「なんだよ、ランクGなのにオートプロテクター持ちかよ! だったら選択肢はもっと増えるが?」


 ナビィがオートプロテクターのサポートがあればトリポリも取り回しができると伝えると、店員がオートプロテクター持ちならと重火器のカタログを読み込もうとする。


「予算が……」

「あー……それは仕方ないな」


 ミオンが申し訳なさそうに予算と口にすると、店員も察したのかPDAをポケットにしまった。


「このAD7とグレネードランチャーをお願いします」

「グレネード使う時は射角と範囲に気を付けろよ。慣れないうちは建物内では使わない方がいいぞ」


 ミオンはAD7を購入することにした。

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