18 ユウコ/結子

「ノボル君、放っておいたらかわいそう」

彼はさっきからひとりでソファーに座り、ぼうっと私たちを眺めている。私の恥毛はすでに湿り気を帯びている。たぶん沙耶も。

「ノボルはほっといても平気だよ」

沙耶はノボル君のことをすごくすごく好きなはずなのに、私にばかり触れている。私はもうほとんど裸なので、舌を絡ませたまま沙耶の服も脱がし始める。そういえば、ノボル君にこんなに見られているのに、全然嫌じゃない。沙耶も自分から進んで脱ぐ。黒のブラトップ一枚になった沙耶の身体はベトついていて、汗の匂いがする。部屋中が紅く染まっている。やらしい色。沙耶に膝の裏を掴まれて押し倒される。沙耶の舌が音を立てて浅く深く苛めてくる。あああ。きもちい。ぼんやりと沙耶を見ると、彼女の頭越しにソファー に座るノボル君と目が合う。そうか、私のも沙耶のも、ノボル君に丸見えなんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る