29.6

 うつ伏せの練習中なルッツが、だいぶ首を動かせるようになってきた。腹と手で頭を支えて、あたりをきょろきょろ見回していた。俺とヤンが左右にいると、俺達の顔を交互に見てきてとても可愛らしい。しかしうつ伏せだとよだれが垂れてしまうから、下にタオルを敷くのは欠かせない。

 子供が生まれたら我が子を腹の上に乗せて抱くのが夢だったのだが、まだ少し早かったかもしれない。俺のシャツがよだれまみれになってしまったのだ。これはこれで幸せだが、その後外出の予定が無くて良かったと感じた。汚したと思うといっそ吹っ切れるというべきか、満足するまで腹に乗っていてもらった。ルッツも新しい遊び場を見つけたとばかりに暴れていた。俺の予定が無い日は、またこうして遊ぼうな。

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