念には念を

「…これは?」


「柄杓で御座いますね」


「な…何に、使うんですか?」


「船幽霊対策です」


「は?!」


「底は ちゃんと抜いて御座いますので、ご懸念は無用で」


「─ この船、最新鋭の豪華客船ですよね?」


「世の中、何が起きるか判りません。念には念を 入れませんと。」


「・・・」

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