第136話 夏祭り編 迷子1

カラン



コロン…





はぁ…



「もー…、あいつどこ行ったんだよー…」



…カラン



コロン



「猫追いかけて迷子とか…、ほんと…」



…!



「あのお面…」



カランコロンッ



カランコロンッ





ぽんぽんっ



「やっと見つけたっ。いったいどこまで行って…」



え…?



「あ…(やっばぁ…、違う人だ…)」



あのぉ…


どちら様で…?



「…ご、ごめんなさい! 人違いでしたっ! 失礼しますっ!」



カランコロンッ



…あっ


ちょっと待ってくださるっ?



ピタッ



「ぅえっ!? な、なんでしょう…」



もしかして…


あなたも誰か探してるのかしら?



「(あなたも?)…ええ、一緒にいた者とはぐれてしまって」



ふふっ


やっぱり…



「はは…(やっぱり?)」



…そうだ


よろしければなんだけど…


ご一緒に探しません?


迷子どうし…


ね?



「…はぁ」



ーーーーーーーーーー



あなたが探してる方は


どのような格好をされてるのかしら?



「(よく見るとすっごい美人さんだ…)えっと…、ちょうどあなたのような背格好ですね」



…あっ


そうよね


…ふふっ


だから間違えたのですものね?



「(あたしより年上なのかなぁ…)ですね…先ほどは失礼しました…」



いえいえ


…かわいい子?



「かわいい…、まぁ…、ですね。お姉さんのほうがかわいいですけどね」



あら…


口説かれちゃった…


ふふっ


そんなこと言うと、


怒られちゃうわよ?



「ふふ…、アイツにはナイショでお願いしますね」



ふふっ


2人だけの秘密ね



「ところで…、お姉さんはどのような方を探してるのですか?」



あ…


うーん…



笑わないで聞いてくれる…?



「笑いませんよ」



実は…


顔も姿もわからないの…



「わからない…? それは、どういう…」



…これ



「…え」



このお面の持ち主を探してるの…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る