249ページ目…ダンジョンマスターの憂鬱【8】
今回、僕がダンジョンマスターをやっているダンジョンに、高級回復薬を買いに来たのだが、リッチな執事に
さすが不死者のリッチなだけに、リッチ(金持ち)と言った所か…。(違)
とは言え、世の中の執事と言う物は、誰しもあの様に、相手の心を読む事が出来るのだろうか?
そう考えたら、執事と言う存在は敵に回すと怖ろしい存在になるのではないだろうか?
等々、くだらない事を考えていたら冒険者ギルドに着いてしまった。
そして、施設の扉を潜り、いつもの受付嬢のポプラさんに声を掛ける。
「お疲れ様です。えっと…依頼の報告に来たんですけど、ラオンさんいますか?」
「あ、ムゲンさんお疲れ様で~す。
ギルドマスターなら~相変わらず部屋で書類と格闘してますよ~。
え~っと、依頼報告ですね~、でしたら~部屋まで案内しますね~。」
おや?今日のポプラさんは間延びした受け答えだ。
よく考えてみたら、初めてあった時とかは間延びした受け答えだったが、何時の頃からか普通の対応に変わっていたよな…いつもは普通に受け答えしてくれてるから久しぶりに聞いた気がする。
それに、何だか気分も良さそうな気がする。
「間違っていたらすいません…ポプラさん、何か良い事でもありました?」
「えへへ、わかります~?実はですね~、今日のお昼に~美味しいお店屋さんを~見付けちゃったんですよ~。」
「なるほど、だからそんなに嬉しそうなんですね。
しかし、ポプラさんの言う美味しいお店屋さんですか…ぜひ、教えて欲しいですね。」
「それは~秘密で~す、どうしても教えて欲しいなら~、一緒に行って~奢ってくださ~い。」
うん、どうやら教えてくれない様だ。
もっとも、対価を求める様なので、絶対に教えないと言う訳ではないので対価を用意する事が出来れば問題ない様だ。
ただし…ポプラさん、味に拘る癖に、かなりの大食いである。
簡単に5人前どころか10人前すら平気で食べてしまう…そんな人に、気安く奢ると言ってしまった日には、
故に、本人に取ってはどう思っているか分からないが、僕的には教える気はない…と言う事になる。
「そうですか…残念です。まぁ…それよりも、報告が先ですね。
ラオンさんに報告したいので、案内お願いします。」
「は~い、それでは着いてきて下さ~い。」
そう言うと、ポプラさんはギルドマスターであるラオンさんの部屋へと案内してくれる。
ただ…僕達とすれ違った職員の人は、若干、引き攣った顔である。
まぁ、それもそのはずだ…何せ、ポプラさんの口元には涎が垂れているのだから…。
どうやら、僕との会話でお昼に食べた物を思い出して、つい、涎が出てしまったのであろう。
と言うか、ギルドの顔とも言える受付嬢が、涎を垂らしながら恍惚な顔をしているなどと言う状態で良いのか?と疑問ではあるが、ポプラさんは冒険者達に人気があるし、たまにデートのお誘いを受けている様なので、それはそれで良いのかも知れない。
いや、もしかしたら今日のお昼もランチに誘われて行った可能性が高い。
って、何をくだらない分析してるんだ僕は…。
『コンコン。』
「ラオン様、ムゲンさんが来ております。」
「あぁ、分かった…通してくれ。」
さすがに、ラオンさんに声を掛ける頃には自分の世界から帰還していた様で、普通に声を掛ける。
しかし…ポプラさんがラオンさんに声を掛ける時って…その場の気分なのか、ちょくちょく呼び方が変わってるよな…確か朝はギルドマスターって呼んでいた気がする。
「では~、私はこれで~、ムゲンさんも、ゆっくりしていって下さいね~。」
そうポプラさんは僕に告げると、受付へと戻っていった。
なので、部屋のドアを開けて、僕は中に入っていったのだった…。
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