200ページ目…催促
『零の使い魔』の襲撃を退けた…と言うよりは、逃げられた…か?
何はともあれ僕とプリンは、〖魔法:
とは言っても、今回の敵はそれほど強くなく、すぐに逃げていったので実質的な被害と言う物は皆無だった。
そもそも、『零の使い魔』を見た限りでは、魔力こそ高かったが、それほど強いとも思えなかったし…何より手に入るスキルや魔法がなかった事もそうだが、無詠唱での魔法攻撃が出来なかった時点で、それほど強い敵ではないと思っている。
だからと言って油断するつもりは全くない…そもそも、どうやって来たのかは不明ではあるが、第6階層まで来たのだから、油断は出来ないので安心して欲しい。
「えっと…ひとまず、プリンの装備は問題ない事が分かった…。
あとは、クズハとローラ…それと、アリスの装備の確認だな。」
「ご主人様、ご主人様の装備の確認はしないのですか?」
「あぁ、プリンの言う通り、僕の装備の確認もしなきゃいけないんだけど…僕の装備は、みんなの装備よりも調整が大変だからね。
だから…まずは、みんなの装備を使える様に整えてからだよ。」
と、僕は仲間の装備を優先する事を伝える。
もっとも、仲間の装備を優先したいと言うのは本音だが、その経験が自分の装備の調整などに繋がるのだから悪い話ではない。
むしろ、僕の装備は光属性以外の5つの属性を持っているのだから、みんなの装備を整えてからの方が、都合が良いとも言えるのだ。
「なら、主、次はローラの装備を頼む。」
と、強くなる事に関して特に期待しているローラが名乗りを上げる。
つか、装着時は戦女神を思わせる様な作りになるとは言え、装着前はドラゴンの形をしているのに関しては、神獣フェンリル狼問題ないのだろうか?と疑問に思う。
「あ~…そうだね、ローラ、ずっと楽しみにしてたもんね。
ってか、クズハも一緒に行こう…二人一緒の方が早いだろ?」
「そ、そうですか?では、私も一緒にお願いします。」
と、クズハも一緒に行く事を承諾してくれる…なので、僕はプリンにお留守番を頼む事にする。
「なら…プリン、お留守番を頼む。
ヤツらが来る可能性も否定出来ないから、周囲の警戒も忘れずに頼むよ?」
「はい!ですが…流石に、この宿屋までは襲わないと思いますよ?
これでも一応はギルド直轄の宿屋ですから。」
言われてみれば、確かに宿屋はギルド直営…その為、オーナーから従業員に至るまで、それなりの『元冒険者』が雇われている。
そんな中、わざわざ攻めてくるとは考えにくい。
だが、それでもヤツらにも〖空間転移〗の魔法を使う者もいるのだから油断は禁物だ。
「だからと言って、油断しすぎるのはプリンの悪い癖だよ?
もっとも、僕の心配しすぎるのも悪い癖なんだけど…ね。」
と、僕は、プリンに注意しつつ自分の悪い癖にも反省をする。
「主、何時まで待てば良いのだ?
主、ローラ、早く強くしろ。」
と、ローラがしびれを切らして催促してくる。
確かに、自分の番だと言っているのを、ずっと待たせるのは良くない事だ…。
だが、ローラ…何故に命令口調なのだ?
「スマン、プリン…ローラが待ちきれないみたいだから行ってくる。
でも、本当に襲撃には注意してくれよ?」
「はい、ご主人様もお気を付けて。」
僕はプリンの言葉を聞くと、再びダンジョンへと〖空間転移〗の使う。
すると僕の前の空間が歪み、そして…その向こうにはダンジョンの一室が映りだしたのだった。
「よし、なら…ローラ、クズハ、僕達はダンジョンへ行くよ。」
と、二人に声を掛けてから、ダンジョンへと向かうのだった…。
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