161ページ目…目指せ、聖王都【2】
「んで、質問なんだが、素材となり得るゴーレムには、どんな種類のゴーレムが居るんだ?」
〔そうですね…まずは、既にご承知の通り『アイアンゴーレム』ですね。〕
「そうだな、コイツが居ればそこら辺の武器屋で売られてる程度の武器は作れるだろうな。」
まぁ、武器以外にも防具も作れるだろし、ちょっとした道具だって作る事が出来るだろう。
「それで…何種類かあるんだろ?他には、どんなヤツが?」
〔他には魔法銀…所謂、ミスリルと呼ばれる物や、神の金属とも呼ばれたりするオリハルコン…他にも、変わり種として、アダマンタイトと言った所ですか?
当然の様に、必要なダンジョンポイントは跳ね上がりますが…。
ただ、通常の金属としては…先ほども言った、
「こいつらって…やっぱダンジョンポイントの消費って激しいの?」
〔そうですね…通常の魔物に比べると、思った以上に消費されますね。〕
つまり、複数を同時に数体作り出すだけの余裕は無さそうだ。
「えっと…今あるダンジョンポイントでアイアンゴーレムを…第8階層に1体作る余裕って無いかな?」
〔第8階層ですか?〕
「いや、どこの階層でも問題はないんだが…他のヤツらに邪魔されない様に、敵が強い場所の方が良いかな?と思って…。」
〔それでしたら…裏技となりますが…特殊な方法を使えばボスの素材集め用の部屋をご用意出来ますが…如何致しましょう?〕
「裏技…だと?どう言う事だ?」
ダンジョンマスターである僕が知らない技があると言うのか?
〔え~…守護者の居る階層なんですが…現在、第5階層と第10階層は元々の部屋が小さくなっていますよね?〕
「あぁ…そんなに大きなのはいらない予定だからね。」
守護者と戦うだけだから、そこまで広い部屋を作っても意味が無いだろうし…。
〔そこで…第5階層と第10階層に部屋を追加で作ります。〕
「ほぅ…それで?」
〔第5階層のに新しく追加した部屋を、ゴーレムが発生する部屋にします。〕
「ふむ…守護者の部屋から、そのゴーレムの部屋に行けるのか?」
〔いえ、転移の魔方陣を設置して、第10階層から第5階層に移動出来る様にします。〕
ん?階層を一つ増やしておきながら、守護者の部屋からしか行けない部屋なのか?
「それって無駄じゃね?」
〔いえ…正直な話、ゴーレムを素材と言い…他の者が採取不可にするのであれば、これほど確かな方法は無いはずです。
基本的に第10階層まで辿り着けるのは不可能と思われますので、
「だったら、第10階層に、そんな転移用の部屋なんて作らずに、直接指輪で転移すれば良いんじゃ…。」
転位魔法陣の設置だって、ダンジョンポイントを多く使う訳なのだから…。
〔ボス、その認識は間違っております。
ダンジョンの部屋と言うのは、『正規のルートを通れば、誰でも出入りが出来る』と条件が必要となります。〕
「なるほど…つまり、第10階層まで来れば、誰でも移動出来るけど…第10階層まで来る者は皆無…故に、このゴーレム部屋は、僕専用の狩り場となりうるって事か…。」
〔はい、その通りです。〕
まぁ、確かに、これならば裏技と言われても納得出来る内容ではあるが…。
「で、それをするだけのダンジョンポイントはあるのか?」
〔部屋を2つに、ゴーレムを複数…正直に申しますと、無理ですね。〕
「ダメか…。」
〔ですが…ボスのお求めになっているアイアンゴーレムを1体だけなら…何とかなりますね。〕
「マジで!?本当に作れるのか?」
〔えぇ…当分の間、ダンジョン内のドロップの確率を下げて、ダンジョンポイントをその部屋の作成に回せば何とか…。〕
職権乱用ではあるが、この際、目を瞑ってもらおう。
「だったら、その様にしてくれ。」
〔了解しました。
とは言え、各種調整をしないといけなくなりますので、大変申し訳ありませんが、少しお時間を貰います。〕
「ま、まぁ…調査の依頼を受けてるとは言え、出発まで準備に数日掛かる事にしてあるが…それで間に合うのか?」
〔はい、こちらの方の準備は明日には出来ると思いますので…問題はないかと思います。〕
時間が掛かると言われたから、もっと掛かると思ったが、予想以上に早いな…。
だが、明日まで掛かるのか…。
「明日まで待って、それから、ゴーレムを狩って…馬車作り…。
うへぇ~…凄く大変そうだ。」
〔でしたら、私が作業を進めておきますのでボスは家で休まれては如何でしょう?〕
「分かった…なら、今日はこのまま家に帰って休むとしよう。
悪いんだが、後は任せた。」
〔了解しました、では、明日…準備が整い次第、ご連絡を差し上げます。〕
「あぁ…いつも面倒な事を押し付けてすまんね…今度、何か餌になる物を持ってくるよ。」
〔本当ですか?それはありがたいです。
では、私は作業に入りますので…。〕
スライムはそれだけ言うと、ダンジョン
そして、僕は邪魔にならない様に、家へと戻るのだった…。
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