130ページ目…初めてのダンジョン作成【3】

 そして、第3層からは簡単な罠…トラップを用意する。

 と言っても、比較的浅い落とし穴等で、落ちたら死ぬ…なんて事はなく、リソース回収用のレベルの落とし穴だ。

 まぁ、ダンジョンポイントの無駄遣いと言われても仕方がないが、あくまで初心者ダンジョンとして活用するつもりなので必要経費と言う事にしておこうと思う。

 まぁ、第3層と第4層は上の階層の半分の大きさにして、迷路と言うよりは、幾つもの部屋を超えていく…みたいな仕様にしておく。


 Aの部屋から通路を通り、Bの部屋やCの部屋に抜ける…Bの部屋からはDの部屋やEの部屋に…と言う様な感じだ。

 その為、次の階層に行く為の階段が複数有る仕様となっている。


 とは言え、この階層からは中級ランクの冒険者をターゲットにしている為、危険度は上の階層に比べて跳ね上がる。


 第2層のフロアマスターに簡単な魔法が使える敵を配置した事でも分かる様に、この階層からは飛び道具や魔法を使ってくる。

 なので、それに伴いドロップ品も良い物になる。


 まぁ、僕はケチなので3%程のドロップ確率だけど…初級ランクの回復薬ポーションが手に入る様になっている。

 HPが回復する赤いポーション、MPが回復する青いポーション…そして、SPが回復する緑のポーション…ダンジョンポイントを、地味に消費するので大量にはドロップをさせる事は出来ないが、それでも魔法薬の為、高価な品物である。

 初級ランクの回復薬とは言え魔法薬なので銀貨十数枚はする高価な品だったりする。

 では、何故、そんな物を…と言うと、まずは当然回復目当ての冒険者を増やす為である。

 回復薬…ポーションが手に入るのと手に入らないのとでは段違いの効果があり、ダンジョン内に人が長時間いる場合、それに伴いダンジョンポイントが手に入る。

 それ故、ポーションを手に入れようとする者が多ければ多いほどダンジョンポイントを稼ぎやすくなるのだ。

 それに、第3層からは敵がそこそこ強くなってくる為、冒険者がパーティーを組む確率が高くなる。

 そうすれば、より安全に進む事が出来るし、こちらとしても多くの人が長時間いた方が効率が良い。

 一部例外としては、無茶苦茶強い人が、場を荒らす事があると効率は一気に悪くなるのだが…。

 まぁ、そんな迷惑なヤツが居たら防衛システムとして、かなり強い魔物を送り込み物理的に排除する事になるのだが…。


 そして、第4層…ここは第3層に比べて、パーティーを組んでる魔物と出会う確率が多くなるだけで、基本的には第3層の敵と大して変わらない…だが、近距離攻撃と遠距離攻撃等の連携をしてくる事になる為、冒険者側にもそれ相応の力が必要となってくる。

 特に、要注意なのがスケルトンのパーティーだ。


 アンデッドの為、疲労がない…そして、メイジ魔法使いや、アーチャー弓使いがいる。

 これだけ聞くと、他の種族も同じだろ?と思うのは仕方がないのだが…こいつ等は味方もろとも攻撃を仕掛けてくる。

 他の種族だと、仲間意識がある為、味方を攻撃するのを極力避けようとするのだが、アンデッドのスケルトンにはそう言う事がない。


 最悪、自爆テロよろしく、平気で味方もろとも吹き飛ばすのだ。

 そうなったら、阿鼻叫喚…逃げようと思っても手遅れになったりする。

 とは言え、僕としては冒険者を殺したくないのだから、そんなパーティーを組むスケルトンの数は減らして危険度は若干下げている。


 ここで迷ったのが、第5層に降りる階段を守るフロアマスターの事だ。

 第5層は守護者の部屋だ…言うなれば、このダンジョンの中ボス的な存在と言う事になる。

 そんなヤツと戦う為の階段を守るフロアマスターと言う事になるのだが…守護者には、僕お手製のガーゴイルを配置するつもりなので出来るだけ無傷の状態で通してあげたい。

 と言うのも、以前、僕が戦ったガーゴイル程度にするつもりなのだ…と言う事は、ショボイ武器だと武器が壊れる。


 ダンジョンの壁を素材にしている為、大変硬く魔法にも、そこそこの抵抗を持つ。

 マジで、装備を揃えたりスキルを使えるだけの実力のある者でなければ、突破する事は出来ないのだ。


 そんな敵を相手にする前に、ここでボロボロになるのは、流石に可哀想だ。

 なので、フロアマスターを配置するのではなく、少しだけ回復のサポートをする。

 つまり…階段のある部屋に初級の回復薬…ポーションを安く手に入れれる販売所を設置するのだ。

 また、階段には『次の階層は守護者の部屋…降りる際は、死を覚悟のする事』…と、よく見える場所に書いておくのだ。

 もちろん、見落とす可能性があるので、販売所にいる魔物には注意を促す様にさせる。

 だが…魔物である以上、冒険者が攻撃してくる可能性がある。


 その場合、そんなマナーが悪いヤツは死んでも文句はないだろうから、此処はヤバイ魔物を用意する。


 とは言っても、生きている魔物だと色々と問題があるので、ここは疲労もなく眠る必要のないアンデッドに任せるのだが…強いアンデッドでしかも話をする事が出来る…と条件を付けて、すぐに思い付くのが『リッチ』だ。

 このリッチと言うアンデッドは、邪悪な魔法使いが死後、アンデッドとして甦った魔物であり、強力な魔法を操り、そこそこの力も持つ…ちょっと強い程度の冒険者では傷付ける事すら困難の魔物だと言われている。

 ただし、『邪悪な魔法使い』じゃなくとも『リッチ』になる事があるので、その原因は不明である。


 何はともあれ、高ランクの冒険者でも倒すのが困難なリッチに店番をさせるのであれば、襲われたとしても返り討ちに出来るはずだから問題はないだろう。

 ある意味、こいつがこの階層のフロアマスターとも言えるのだが…強力な敵だが戦わなくても良い分、馬鹿な事をしなければ安全に通り抜ける事が出来るのだ。

 そして、仮に倒させたとしても、リッチがお金と引き替えに回復薬を取り出す操作をしなければ回復薬が出てこない仕組みにしておけば、店からお金や回復薬を盗まれる事もなくなる。

 そして…このお金に関しては、一部が僕の小遣いになると言う寸法だ。


 ちなみに、冒険者が死んだ場合…パーティーが居なかった場合、装備品はダンジョンの物となる為、〖模型創造モデリング〗の魔法で修理や加工したりしてドロップ品として再利用するのも良いかもしれない。

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