99ページ目…ドラゴン戦【3】
「「はぁぁぁぁぁ!」」
僕とプリンは同時に右手を突き出す。
僕の手には魔法と闘気剣を融合した魔神剣。
そして…プリンの手には、いつの間に覚えたのか
『ブシューーー!ガンッ!』
僕達の攻撃は、見事に左右対称で同じ所を攻撃した様で、互いの剣の先が当たった。
「プリンッ!!」
それだけで理解したのか彼女は離れた場所に空間転移している。
僕はプリン戦の時にもした事をする。
もっとも、僕の腕はドラゴンの腹に刺さっているのだから、あの時みたいに投げる事は出来ない…が。
「魔法解放ッ!!」
次の瞬間、僕の居る方とは反対…先ほどプリンが開けた穴の方へドラゴンの腹から激しい炎が吹き出した。
僕の方は…と言うと、以前同様、右腕が炭化して崩れ落ちた。
流石に、開放した魔法の威力に腕が耐えきれなかった様だ。
『G、GRaaa…。』
ドラゴンは、それだけ言うと塵になって消えていった。
【経験値26980を獲得した。】
【レベルが5上がった。】
うわぁ…一度に上がるレベルアップとしては過去最高のレベプアップじゃないか?
そんな事を考えながら、足下に転がっていた道具アイテムを左手で拾った。
「ドラゴンの力を秘めし大いなる玉…竜玉か…。」
「ご主人様、お疲れ様です。」
プリンから労いの言葉を貰った。
なので、僕もプリンにお返しとばかりに言う。
「プリンもお疲れ様。」
それから少し休憩した後、僕はプリンを見た。
◆◇◆◇◆◇◆
名前:プリン・アラモード
種族:デビル・スライム
Lv:30
HP:3204/3575 MP:1210/3270 SP:820/3390
攻撃力:2560 防御:1630 魔法力:2995 素早さ:1420
◆◇◆◇◆◇◆
「そうか…プリンもレベル30まで上がったんだ、すごいじゃん!」
僕は、この時、レベル以外のステータスを、きちんと確認せずにプリンに話し掛けた。
「あ~!ご主人様のエッチ~!」
「エッチって…ただステータス見ただけじゃん?」
「ステータスでも、勝手に見たらダメです!それも乙女の秘密です!」
「はいはい…ごめんごめん。」
別にスリーサイズを見た訳でも無いのに…と思いつつも、ほっぺたを膨らませ『拗ねているフリ』をしているプリンを可愛いなと思いつつ苦笑していた。
◆◇◆◇◆◇◆
それから30分間後、僕達のステータスも完全に回復したのを確認した後、湖に入って言うゴーレムの調査を開始する。
「ご主人様、やはり湖に潜らないと何も分からないのでは?」
「って言われても…人間って長時間潜っていられないしな…。」
普通に潜るのであれば1分も潜っていられないだろう。
まぁ、それを専門にする人達なら数分は潜っていられるらしいが…。
「クスクス…ご主人様、忘れてませんか?私はスライムですよ?
スライムは水中でも十分に呼吸が出来るんですよ。」
「え…そうなの?」
まさか水中でも呼吸が出来るとは驚きである。
「はい、スライムは基本的に殆ど呼吸をしませんので、水の中でも活動が出来るんです。
ですので、私が見てきます。」
「う~ん…それでも女の子一人を行かせるのも、どうかと思うんだけど…。」
「もう!私は、ただの弱い女の子でなく…あなたと共に歩いていく妻ですよ?
だから、もっと私を信用してください!!」
そうだ…彼女は、僕の…いったい、何を心配していたんだろう…。
つい、先ほど僕と一緒にブラックドラゴンを倒したと言うのに、その彼女が弱いはずがないではないか…。
「ごめん、僕が間違っていた…でも、地上と水中では動きが全く違うんだから、そこは注意してくれよ?」
自分が付いていけないからか、余計に心配になっている。
「はい!ご主人様には心配掛ける事はしません。」
プリンはそう言うと、僕の方へと振り返り、にっこりと微笑んでくれた。
次の瞬間、僕は迫り来る影に恐怖を覚え〖魔法:
「プリン、危ないッ!!」
『ドンッ!…ズシュッ!!ザパーン!』
「い、いやーーーーーッ!!」
僕に突き飛ばされたプリンが水面から顔出す。
そして、その目で見た物を否定するかの様に悲鳴を上げたのだった…。
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