46ページ目…自己紹介
『ガチャガチャ…カチンッ!』
宿屋の女将さんに渡して貰った鍵を使い、自分達の部屋のロックを外し、中に入る。
暗くてよく見えない…ってな訳で、僕は備え付けの
『ボッ、ボボッ!』
蝋燭1本の火では、まだ薄暗いが、ひとまずは問題ない。
さて、いつまでも部屋の前にいる訳にはいかないので、中に入ろう。
「って…クズハ、いつまでもそんな所に立ってないで、はやく中に入りなよ。」
「は、はい…それでは失礼します…。」
どうやら、緊張してるみたいだ。
だが、本当のイベントはコレからだ…。
僕は部屋のベッドに座り、クズハに声を掛ける。
「そうそう…今から大事な話があるから、部屋に入ったら鍵を掛けといてね。」
と、改めて声を掛けたら、クズハが神妙な顔をしてコクリと肯く。
ちょっと言い方が悪く不安を煽ったみたいだ…気を付けねば…。
そんなクズハは、言い付けを守り部屋に鍵を掛け…そして、ゆっくりと僕の前に来た…。
「今から、ある事をするけど、絶対に騒がない事…そして、他の人には決して言わない事…。
本当は、こんな事したくないんだけど…コレは命令だ…良いね?」
クズハとは奴隷契約が成されている為、命令には逆らえない。
故に、騒ぐなと命令してしまえば、クズハには逆らう事が出来なくなるのだ。
「は、はい…。」
僕は立ち上がり、ゆっくりと鎧を脱ぐと、鎧を横に置く…。
すると…それを見ていたクズハも服を脱ぎ始めた…。
「って…クズハ、何やってんのッ!?」
「え…何って、服を脱いで準備を…。」
「いや、意味が分からないし…。」
クズハの行動に、パニックになる。
「え、えっと…私を抱く…って話じゃないんですか?」
「全然…まったく、その様な予定はございませんが?」
何故か、敬語?で返事をしてしまう。
「………。」
その所為か、クズハが固まってしまった。
「えっと…誤解が解けたら、服来てくれるかな?
ちょっと、目のやり所に困るから…。」
「す、すいません…すぐに服を…キャッ?!」
『ドテッ』
何故、そのタイミングで転ける事が出来るんだろう?
…うん、クズハは白い下着か…眩しいぜ。
うん、天然と言うか、ドジっ子と言うか…被害さえ無ければ、見てて楽しいのかもしれない。
あ…そこは袖だから頭は入らないぞ~…って、前後が逆だよ~っと、温かい目をして服を着るのを見守る。
〔ご主人様のエッチ…。〕
僕が見ていると言う事は一緒にいるプリンも見ていると言う事…その為、ジロジロと見ていた僕にプリンからツッコミが入った。
〔確かに、女の子の着替えを見るって言うのは、どうかと思うが…今までそんな機会が無かったんだから面白そうじゃん?〕
言い訳として、それで良いのか?とは思うが、エロと言うより、微笑ましい感じがして面白く感じてしまったのだ。
〔そ、それは…確かに私は服なんて着てないから着替えを見るのは面白いって言うのは、否定は出来ませんけど…でも、やっぱりエッチです…。〕
そんな会話を念話で続けてると、気が付いたら時には、クズハは、ちゃんと服を着れた様だ。
「えっと…改めて、絶対に騒がない様に…良いね?」
「は、はい…あの…その…ごめんなさい。」
「あ~…そんなのは良いから…話進めるよ?」
元々、勘違いさせる様な行動を取った僕が悪い。
「ご、ごめんなさい!…です。」
僕はクズハに、驚いて声を上げない様にする為に、手で口を塞ぐ様に言う。
予想はしてたが、鼻まで塞いでしまったので呼吸出来なくなっている。
僕は、それを注意して、口だけを塞ぐ様にさせる。
僕が溜息をつくと、またクズハが俯いてしまった…仕方がないので、このまま話を進める事にする。
「プリン…〖擬態〗解除…元の姿に戻って。」
と、プリンに声を掛ける…。
すると、先ほど脱いだ鎧が変化しスライムの形になる。
『ポヨン…ポヨン…ポヨン…。』
プリンはクズハちゃんの前まで行くと、動きを止める。
クズハちゃんの目には、明らかに怯えの色が見える。
だけど、口を塞いでいるからか命令を守っているのか、悲鳴は上げていない。
「クズハ、怖いかもしれないが怖がらなくて大丈夫。
そのスライムは、僕の一番大事な仲間でプリンって言うんだ。
だから、仲良くして欲しい。」
どうして良いのか分からないみたいで、クズハは僕とスライムを交互に何度も見ている。
やっぱ、このままじゃダメか…と、再びプリンに声を掛ける。
「プリン、このままじゃ話が進まないから〖人化〗を頼む…。」
僕がそう言うと、プリンは素直にスライムから人型へと姿を変える。
おや?さらに人型が綺麗で可愛い姿になってる気がする…もしかすると、練習の成果か〖人化〗のレベルが上がっているのかもしれない。
「こんにちは、クズハさん、私はプリン、プリン・アラモードです。
良い名前でしょ?ご主人様が付けてくれた名前なんですよ。」
と、挨拶をして、クズハに笑顔をみせたのだった…。
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