~第1章~◆◆◆冒険開始◆◆◆
23ページ目…異世界冒険、始動
僕は、お世話になったスタトの塔に、一度、頭を下げてから入り口の扉を
次の瞬間…。
「ぐわぁぁぁぁ!め、目が~ッ!?」
塔から出た瞬間、強烈な閃光を浴びて僕は目が見えなくなった…。
あぁ、もちろん何者かに攻撃を受けた訳じゃないですよ?
薄暗かった塔の中から勢い良く外に出たまでは良かったのだが、日が高く遮る物が何もなかった為、外が物凄く明るくかったんだよねコレが…。
あ~眩まぶしかった…そりゃ、暗い場所から明るい場所に出たら目が
と、誰に言うでもなく、僕は心の中で呟いてみた。
『チッ、チチチッ』
どこかで鳥が鳴いてるのが聞こえる…って、コレ本当に鳥だよね?
ねぇ、誰か知ってる?
しばらくすると、眩んでいた目も完全に回復し、周囲を無事に確認出来るようになった。
今の時刻が、何時か分らないけど、どう見ても日は真上近くにあるからお昼くらいなのでは?と、推測した。
さて、ここで改めて周囲を確認する。
当然、僕の後ろにあるのはスタトの塔…先程、出てきたのだから間違いはない。
そして、塔の後ろには…移動して確認した所断崖絶壁…つまり崖の所に立っている塔と言う事か…。
その下に広がるのは海…いや、僕の位置からでは対岸が見えないが、潮の香りがしないから湖なのだろうか?
まぁ、でっかい川と言う可能性もあるのだが…とりあえず、反対側へ進む事は不可能だと言う事だ。
しっかし…誰が建てたか分らないが、よくこんな場所に塔なんて建てたな…と僕は感心する。
いや、断崖絶壁の下が海なら、もしかしたら灯台だったのかもしれない…いや、でも塔には明かりを灯す物がなかったので、流石にそれは無いか…。
続いて、再び等の入り口まで戻り、前を見る…塔の周囲は少し空き地みたいになってる様だが、少し離れた所に見えるのは木しか見えない。
右を向いても木、左を向いても木、そして前を向いても当然、木である…全部足したら『森』の完成である!
うん、こんなボケはいらないな…とりあえず、ボケはそこら辺にポイっと捨てておくとして、改めて見なくても僕の目の前には森があった。
そして…僕は目の前の光景に、いきなり絶望する事になる。
塔の中で〖神の目〗を使った事で、何となくではあるが現在地は知っている。
更に、ご都合主義の関係か、近くの村まで北に10kmと言うのも分かっている。
そこまでは別に良い…もちろん、問題は無いと言えよう。
だが、問題なのは、
さらに悪い事がまだある…そう、僕は水や食料を持っていないのだ。
いや、正確には先程、唯一と呼べる『蒸留水』が一つ手に入ったが…小瓶なので微々たる物だ。
そんな状態で、こんな危険な世界の森を抜けて10km先の村まで無事に辿り着けると考えるほど、愚かではないつもりだ。
そんな絶望から、僕はその場に座り込んでしまった。
◆◇◆◇◆◇◆
『テクテク…テクテク…。』
気が付いたら、僕は宛もなく森の中を
いや、宛もなくとは言ったが、ちゃんと次の目的地であるメルトの町に向かって歩いてるんだけどね?
結局、あの後、〖神の目〗を使い現在位置の再確認をしたんだけど…流石、ご都合主義とでも言うべきか…。
目の前には森しかないのに、メルトに向かうと決めたら瞬間から森の一部に『△メルト10km』なんて表示がされた~じゃあ~りませんか~。
(いかん、疲れの所為で頭が…。)
しかし、いくら森の中は危険がいっぱいだろうと、進む方向も距離も分かっているのだから後はもう進むしかない。
って言うか、こんな場所に助けが来るはずもない…進まないと野たれ死ぬのは分りきった話なのだから…。
なので…そんなこんなで森の中を歩いていた訳だが…。
森の中を進む事に決めたの事により、その準備として、再確認したステータスがコレだ。
◆◇◆◇◆◇◆
名前:
種族:人族
Lv:5
HP:63/63 MP:65/65 SP:70/70
攻撃力:35(+8) 防御力:20魔法力:33(+15) 素早さ:21
頭:なし
体:布の服
右手:錆びた短剣
左手:骸の魔銃
足:革の靴
特殊1:なし
特殊2:なし
健康状態:通常
魔法:〖攻撃魔法:LvMax〗〖回復魔法:LvMax〗〖精霊魔法:LvMax〗〖無詠唱:LvMax〗〖多重詠唱:LvMax〗
耐性:〖全属性耐性:LvMax〗〖毒無効〗〖麻痺無効〗〖幻惑無効〗
称号:〖存在しない者〗〖異世界冒険者〗〖
所持金:630〔ゴルド〕(大銅貨:6、銅貨2、賤貨10)
◆◇◆◇◆◇◆
『サラサラ、サラサラ…。』
しばらくの間、塔での出来事を回想しながら歩いていると。何やら耳にサラサラと言う音が聞こえてきた。
本当はサラサラじゃないんだけど、表現が上手く出来ない…まぁ、悪い意味で適当な擬音って事で勘弁して欲しい。
とりあえず、何の音か興味を持った僕はサラサラと聞こえてきた音の方に近付いて行く…その後、数分掛けて音のする方へと歩いていった結果、音の発生源を見付ける事に成功した。
なるほど…音の正体はコレだったのか…。
…もったいぶってごめんなさい。
何せ、普通に川が流れているだけって言ったら怒られそうだったんだもん…。
って事は、この際、無視をするとして…僕は今まで以上に細心の注意をしながら川に近付く。
何故なら、普通に考えれば水辺と言うのは野生の動物等も水を飲みに来たりするからだ。
その為、水辺と言うのは、もっとも敵に襲われやすい危険地帯である…と、この前見たドキュメンタリー番組でやっていたのを思い出す。
とは言え、周囲に敵影はない…。
こうして、僕は無事に川辺に辿り着く事に成功し、飲み水にありつけたのだった…。
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