第406話 みっつの理由

「銃のメリットを最大化すれば、異世界このせかいでの集団戦闘では敵無しになるだろうな」

「メリットを最大化するために条件がある、ということですね」

「そう。条件はみっつある」


 俺は指を一本立てて見せる。


「銃の数が揃うこと」


 一丁じゃあ意味がない。三千丁、一万丁の数が必要だ。

 

「野戦であること」


 言って俺は二本目の指を立てた。

 銃のメリットは長射程の火力。開けた場所の方が効果的だろう。精度の高い狙撃銃があれば暗殺なんかにも使えるかもしれないが。


 最後に三本目の指を立てる。


「相手が密集陣形であること」


 たとえば騎兵のような。あるいは方陣のような。密集が前提となっていればそれは最も都合のいい標的マトになるだろう。


「ついでに言うと雨が降ってないこと、か。後装式だと雨もあんまり関係なさそうだが」


 手を開いて天井を仰ぎ見た。

 さて、帝国は銃をどれだけ用意できているだろうか?


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