第391話 高い稼働率の要因はモノかヒトか、或いは両方か
夜も更けて、本日の当ホテルの客室稼働率は8割超え。
悪くない。
コンスタントに稼働するようになったもんである。
というか――
「――こんな山ん中でよくもまあ部屋が埋まるよな。やっぱり設備の違いが話題になってんのかね」
ベッドひとつとっても
知らない者のために説明すると、ポケットコイルマットレスと言うのは小さな
盛大に逸れた話を戻そう。
ポケットコイルマットレスは
などと俺が事務所のデスクで考え事をしていると、ナターシャがフロントからひょっこり顔を出してきた。
「部屋もいいですけど接客が特にいいですからね!」
「ナターシャが言うのかよ」
「どういう意味ですかユーマさん」
「そのままの意味だ。とっとと
「アイさんアイさん! ちょっとこの支配人に私の仕事ぶりを教えてあげてくださいよ!」
ナターシャは、いつの間にか俺の横にすまし顔で控えていたアイにすがりつく。
アイはすげなくそれを振り払い、一言。
「以前より随分マシになりました」
「アイさん言い方ぁ!」
「褒められてるぞ。良かったなあナターシャ」
「良くないですよ!」
いいからフロントに戻れよ。仕事しろ仕事。
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