第293話 告発マスターマインド
「覚悟をするのは貴様の方だ!
案の定イグナイトはご立腹だった。
無理もない。
「貴様は、あろうことかこの中に――我らの中に黒幕がいると言うのか!」
そうとしか聞こえない言い方だったからな。
実際、その通りではある。
「御明察。流石はイグナイト殿下であらせられるな」
と、挑発するのだった。
楽しそうなのは多いに結構だが、そろそろやめた方がいい。
話がこじれるだけだ。
「この私を
「殿下がそうお感じになられるのであれば、そうなのでしょうなぁ?」
「貴様ぁ!」
「――双方そこまでです」
やれやれ。
ヴィクトールめ、止めるが遅いんだよ。
ほっとくと
「そうしてじゃれ合っていては進む話も進みませんからね」
じゃれ合うときた。
一瞬目を合わせ、ぷいっとそっぽを向き合うイグナイトと
仲良しかよ。
「死霊術師殿、座興はもういいでしょう?」
「ふふん、せっかちな。慌て――ふがっ」
『慌てる乞食は貰いが少ない』とか王族に言おうとするんじゃない馬鹿。
一瞬だけ体の
……おいミラベル、さっさと進めろ。
「――失礼。ふむ、急かしておるのは
やれやれ。
やっとやる気になってくれたか。
面倒な奴である。
「これ以上焦らしても意味はあるまい」
「ヤツ」は告げた。
決定的な一言を。
「今回の一連の騒動の黒幕は――、エリザヴェート。お主じゃ」
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