第252話 商人は護衛の雇用関係について考える
アタシのまあまあ失礼な問いかけに、
「ジブン、買われてないデスヨ?」
微妙に違うニュアンスで伝わったな今。
けど、そんなことには気付かずに、
「ジブンとユーマはコヨウカンケイにあるデスヨ!」
と言った。
「雇用関係?」
って言ったよな、今。
「ユーマはいつもそう言ってますデス! ユーマがジブンを雇って、雇われたジブンはユーマの宿で働いているデスヨ!」
王国での獣人の扱いはあまりよくない。
帝国ほど悪くもないが、そんな風にまともに扱ってくれるケースは稀だ。
「良かった。飼われてるわけでも買われたわけでもないんだね」
「ユーマがそんなことしないの、クラリッサもわかってるデスヨ?」
ニコニコしながら
ちっ。気に入らない。
知った風に言いやがって。
なんでアタシがあのオッサンのことをそこまで信用してると思い込める?
でも言い返せなかった。
なので、アタシは代わりに別の文句を言ってやる。
「クラリッサさん、だろ。ちゃんとさん付けて呼べよ」
「さん?」
「そうだよ。年上には敬意を払いな。あと、アタシは
「よくわかんないデス」
と首をさっきよりも深い角度で傾げた。
わかんないかー。
あのオッサン、この子にどういう教育してるんだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます