第210話 騎士階級と第二王子の関係性
騎士たちは、こちらを蔑むような嫌な笑い方をしてきた。
侮蔑はさておき、想定していたリアクションとは異なるのはマズい気がする。
「王女殿下の次は第一王子殿下、ときたか」
やっぱりだ。
俺がなんか間違えったっぽい。
「我々から情報を引き出したくば、イグナイト様のご認可を得てくるが良い」
「イグナイト殿下の?」
なるほど?
ここで第二王子の名前が出てくるのか。
だが、イグナイトは絶対に俺にそんな
「我々騎士一同が剣を捧げるのは国王なれど、イグナイト殿下に誓いを立てることもやぶさかではない」
主語がでかい。騎士一同ってアンタ。酔った勢いにしても大言すぎやしないか。
だが、他のふたりもしきりに頷き同意していて諫める気配はない。
イグナイトは騎士階級を支持基盤として掌握しているってことで間違いなさそうだ。でも、イグナイトだぞ? いいのかアンタら。
「騎士様方に質問なんだけど、イグナイト殿下がヴィクトール殿下よりも抜きんでている部分って……、どこ?」
「あるのか?」と言いそうになったのを「どこ?」と言い換えできて良かった。
「イグナイト殿下は歴史を、貴族を、何より騎士を重んじておられる。ヴィクトール殿下は平民の重用が過ぎるのだ」
あらら、前時代的。
守旧派が担ぐ相手がイグナイト。
革新派が担ぐ相手がヴィクトール、って構図か。
ん? エリザヴェートは誰に担がれてるんだ……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます