苦幸


愛は苦しみも作り出し、幸せも作り出す。


▽喫茶店の会計最中、マコトは腕をからませてくる…恥ずかしい。

悲しませたくはないから、そのままにさせる。


店員の奇異な視線…耐えられない…二度とこの店には来れない。

マコトと出逢った記念の店なのに…。


車に乗った途端、マコトは抱きついてきてキスをした…強くネットリと…熱い吐息が顔にかかる…マコトの舌が俺の口の中をまさぐる。舐め躍る。


マコトの柔らかい髪の毛が額に頬にくすぐり、エンジンをかけてない車の中は、キスと吐息とため息の音が充満した。


世界には俺とマコトしかいない…そんな錯覚を覚えた。


マコトしか見えなかった。

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