146話 〜水族館編〜

「うーん。イルカにするか、アザラシにするか」

さくらが小さなぬいぐるみのキーホルダーとにらめっこしています。


「そーだ!ゆみりんと自分の分で2つ買って好きな方選んでもらおう!」


「あ、俺もたくになんか買うか」


「ふーくん、たくくんに買うの? ゆみりんとお揃い買う?」


「それゆみさんに選んでもらうんじゃなかったのかよ。2分の1でさくらとお揃いじゃん」


「あー、そっか!忘れてた〜」


「カップル…。どっちの方がカップルっぽいかな〜」

俺もさくらとお揃いとか…持ってみたいと言ったら乙女って言われるのでやめましょう。


「じゃあ、さくらがイルカとアザラシ1個。俺もイルカとアザラシ1個買って、ゆみさんたちの欲しい方あげるか?」


「それいいね! でも、ふーくん私とお揃いになっちゃうよ?」


「そっかー、まぁいいんじゃね?」


「うふふ、じゃあこれ買おう!」


「おぅ、俺も買っとくな」

ん? さくらとお揃いよかったねって? あー、そうですね。結果お揃いですけど、ゆみさんとたくのためなので仕方なく。はい、別に俺はお揃いとか興味ないんですけどね?


「親にお菓子でも買うかなー」


「史人。コインロッカーに預けるならいいけど、あんま買い過ぎるとイルカショー連れてかねぇぞ?」

あ、忘れてた。


「そっか、わりぃ」


「いや、帰りにもっかい寄るから小物以外は見とくだけにしとけ〜」


「智が珍しく、頭良い…」


「だろ、って珍しくは余計だ!」


「うふふ、私が言ったんだけどね」


「み、美咲さん! 俺かっこいいとこだったのにバラさないでよー」

なんだ、美咲さんの意見か。通りで賢いわけで。


「智さん、そろそろイルカショーの方行きません? 混んでたら座れなさそうですし」

おっと、また1人賢い人が。


「おー、そうだな。今買っちゃえるもの払い終わったら行くかー!」


「おっけ、俺も金払ってくる」

ん。小さいぬいぐるみ2つ…。俺自分と彼女に買い物してるみたいで恥ずかしくね!?(考えすぎですby作者)



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