104話

「のど渇いた〜、ゆみりん自販機行こー!」

今日はいつもより暑いですねー。母さんのおかげで俺はいつもより多めに飲み物を持っているので安心です! さくらに…さすがにあげられないかな。うん。

「いいよ〜、ちょっと待ってね。サイフ〜」

2人で飲み物買いに行くっぽいですね。あげなくてすみそうだ。(だれもちょうだいなんて言ってない)

「こんにちは」

「あ、花ちゃんも自販機行くー?」

「あ、あの。今日はクラスで食べますね」

「お? そうなの? わかったー!」

「次体育急いで行かないとで…、クラスで食べます」

「大変じゃん! 伝えに来てくれてありがとー! 暑いから気をつけてねー!」

「はい、ありがとうございます…! では」

「またね〜」

次体育とかしんどいだろうな。暑いし。

「さくらお待たせ、花ちゃんのは聞こえてたから了解ね」

「よーし、自販機へレッツゴ…」

「おーい、佐藤。ちょっと職員室来てくれるか〜」

おぉ、先生タイミング悪いね。

「え。はーい。ごめん、さくら1人で行ってきて〜」

「わかった、欲しいのある?」

「んー、お茶あると嬉しい〜」

「了解ー!」

「ありがと! じゃ、また」

「がんば〜」

さくら1人で自販機行くのか。ちょっと遠いし、俺も飲み物欲しいから行こうかな〜。(さっき飲み物足りてるって言っただろ)

「さくら、自販機行くの?」

「あ、ふーくん! うん、ふーくんも?」

「俺も行こうかなと思って、一緒に行く?」

「いいの? じゃあ一緒に…」

「たっだいまー!」

おぉ、智。どこ行ってんのかと思ったら帰って…来たな。

「史人これいるかー?」

めっちゃ飲み物持って…。

「智くん、すごい量持ってるね!」

「お、さくらちゃんもいるー? 体育教師にこき使われてたのよー。で、お礼くれるって言うから飲み物くださいって言ったらめっちゃくれた!」

「お疲れ様〜、すごいね!」

「さくらちゃんどれいる?」

「ほんとにいいの? あの…ゆみりんの分も…」

「おぉ! いいよ〜。持って帰るのめんどいし、さくらちゃんとゆみちゃん、史人とたく、あとー花ちゃんにあげよう! 俺は5本持って帰る!」

先生…飲み物って言われて10本も渡すのは若干皮肉なんでしょうか?

「じゃあ、お礼オレンジもらう」

「おぅ、オレンジ多いよな。さすが多いのもらってくれる史人やっさし〜」

「はは、優しいだろ。ありがとな〜」

「おぅ! さくらちゃんどれにするー?」

「私は…あ、ゆみりんはお茶で〜。花ちゃん今日次の体育早いから昼来ないんだよね〜」

「ゆみちゃんお茶ね。そっか、じゃあ花ちゃんは会ったらあげよ〜」

「私は紅茶もらっていい?」

「いいよ〜、はい!」

「ありがと〜、ちょうど自販機行こうとしてて。救世主だった〜!」

「俺ってさすがだわ〜!」

さくらと自販機行くとこ邪魔されたんですけどね。いや、別にいいけどね?

「お金…」

「いや、いいってー! 俺ももらったもんだし〜」

「うーん、じゃあお言葉に甘えて! ありがと〜」

「おぅ、ってか史人も自販機行くんだったの? お前今日飲み物多めに持ってなかった?」

「えーと、いや。買いに行こうかなって」

まずい…焦ってよくわかんないこと言ってるな。さくらと2人で自販機行こうとしたのバレる…!!

「もう飲んだのか、早くね?」

「ふーくんもしかして、私1人だとかわいそうだったから? 優しい〜」

お、どっちで答えよう…。どっちもあってはいない。でも…

「いや、智戻ってこないな〜って思ってたらたまたまさくらたちの声聞こえて。なんとなく行こうかなって」

うん、間違ってはいないぞ!

「ふーくんありがと〜」

「いや、そんな大したことは」

…智ニヤニヤすんな。

「さくらー! 遅くなった〜。あ、飲み物ありがとねー」

「これは智くんがくれて」

「えー、ありがと〜!」

「いえいえ…」


今日も一緒に帰るから別にいいんですよ?

オレンジジュースうまいな。

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