97話

「こんにちは、あら初めまして〜」

「こんにちは! 今日はお世話になります、佐藤ゆみです」

「こんにちは、西山たくです。よろしくお願いします」

今日は5人で山本さん宅にお邪魔させて頂くことになりました。それにしても、たくの営業スマイル久しぶりに見た。

「こちらこそ、どうぞ上がってくださいな」

「お久しぶりです! 今日もよろしくお願いします!」

「千恵さ〜ん、お邪魔しますー!」

ちょっと緊張ぎみの智とちゃっかりおばあちゃんを名前で呼ぶさくら。

「こんにちは、お邪魔します」


「緑茶苦手な方いらっしゃいますか?」

山本さん(孫)が遠慮がちに皆に声をかけた。

「花ちゃんの緑茶好きー!」

「私も緑茶好きだよ〜、飲んでみたいな〜」

「俺も大丈夫だよ」

「俺もー!!」

「えっと、たくさんは…?」

「お構いなく」

うん。遠慮も大事だけどもらおうぜ、たく? それともまだ山本さん(孫)苦手なのか?

「あ、花ちゃんごめんね〜。たく苦いのあんまり得意じゃなくて、飲み物持ってきたから気にしないでね!」

なるほど、さすがゆみさん。

「少し飲んでみてはどうかしら? 家の緑茶は甘みがあって美味しいと思うよ?」

おっと、山本さん(おばあちゃん)たくにものびのび話してくれるのか。素敵な人だなぁ。

「では、ありがとうございます」


「…美味しい」

「でしょう、家の緑茶は静岡から送ってもらっているのよ」

すげぇ。うまいとはおもってたけど、苦手な人でも飲めるんだなぁ。

「はい、ありがとうございます」

たくがいつもと違うからちょっと面白い。

「今日はたくさん来てくれてありがとうねぇ。花にもこんなにお友達が…」

「お、おばあちゃん。えっと、相澤さんとさくらさんのお友達だよ」

え。山本さん、そんな風に思ってたのか?

「えぇ! 私めっちゃ仲良しになったと思ってた〜! さくらの友達ってのは間違いじゃないしー、うーん。これから友達って思ってもらえるように頑張るね!!」

ゆみさん傷つけないように友達って伝えてかっこいいな〜。

「いや、あの。と、友達と思ってもらえていたなんて…。あの、友達としてよろしくお願いします…!」

「わぁ、嬉しい!!」

うん、うん。微笑ましい。

「え、えぇ!? ゆみちゃんだけずるくね? ってか史人とさくらちゃんはもっとずるい! 俺も友達だと思ってたわ!」

「あ、えっと。よろしくお願いします…!」

「よっしゃ、俺も友達ー!」

智もさすがのコミュ力だわ。

「うふふ。お友達がたくさんって素敵ねぇ、花」

「うん」

優しく微笑む山本さん(おばあちゃん)と山本さん(孫)…素敵だなぁ。

「えっと。俺はまだあんまり知らないから、これからよろしく…お願いします」

たくー!! 突然のデレは皆ときめいちゃうって!

「あ、よろしくお願いします!」

「皆お友達って素敵ねぇ」

「千恵さんもお友達ですよー!」

「おい、さくらそれは失礼…」

「まぁ! 私もお友達に? 嬉しいわ〜」

「うん! 皆友達ー!」

そっか、友達でいいんだ。…さくらってやっぱりすごいんだなぁ。

「今日は何をしましょうかねぇ?」

「久しぶりだし、何人か増えたからお話したいです!」

「あらぁ、さくらさんいいわねぇ」

「自己紹介から始めましょう!」


前よりずっと仲良しの“友達”になれた気がします。千恵さんも含めてね?

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