第92話

あぁ、今日も1日疲れました。どうも、史人です。

「お、史人〜!」

別教室の掃除に行っていた智が帰ってきました。…めっちゃ元気だな。

「お疲れー、智元気だなぁ」

「今日バイトなのよ〜」

バイト? もっと疲れるやん…あぁ、彼女か。

「彼女に会えるからそんな元気なのね」

「さっすが史人〜、前よりバイトが楽しみなんだよな〜」

「そんなんでバイトちゃんとやってんのか?」

「俺はめっちゃいいバイトくんなのよ☆」

「…あっそう」

「おーい! 信じてないだろ!」

「信じてる。信じてる」

「棒読みだな…。ほんとにいいバイトくんなんだぞ?」

智がいいバイトくん…信じられない。明るさはめっちゃ良さそうだけどな。

「ふーくん! 帰ろ〜」

お、さくらも帰ってきた。

「おぅ、帰るか」

「あ、智くんだー! 何か嬉しそうだね?」

「あら、わかっちゃう?」

おぅ。うざいぞ、智。

「よーし、さくら帰るぞー」

「おいおい、史人嫉妬すんなってー!」

おいおいおいおい! し、嫉妬じゃねぇし!

「あはは! 智くんのお話聞いたら帰るよ〜! 嫉妬すんなって史人ー!」

突然の史人呼びやめて! 心臓に悪いよ! あと、嫉妬って…好きな子なんだから嫉妬するだろ…!

「う、うっせぇ」

「それでねー、さくらちゃん。今日俺バイトでー」

「うん、あ! 彼女さん?」

「俺を無視すんなって」

「もう〜史人くん! お静かに!」

「そうだよ、智先生のお話よく聞いて!」

なんなんだ…この2人の世界!


…羨ましくなんてないんだからな!

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